岩波文庫リクエスト復刊<br> 従妹ベット 〈上〉

岩波文庫リクエスト復刊
従妹ベット 〈上〉

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  • サイズ 文庫判/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003252956
  • Cコード C0197

出版社内容情報

情熱につかれた人間同士の,――幾組もの人間と人間との悽惨な格闘がバルザック一流の力強い筆で描かれている.好色漢ユロ,貞淑そのものの男爵夫人,ブルジョワの典型クルヴェル.骨の髄までの娼婦ヴァレリー,復讐の鬼ベット,こうした人物を駆使する点でバルザックの右に出る者はない.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

39
田舎娘でありながら玉の輿で男爵夫人になったアドリアーヌの従妹ベットが、嫉妬からアドリアーヌの一家を破滅させようと企てる話。好色なユロ男爵、恋人をユロ男爵に奪われて復讐に燃えるクルヴェル、狭量で嫉妬深いベット、娼婦のようなマルネフ夫人と、この作品に出てくる登場人物たちは自分の欲望のためなら何でもやりかねない化け物のような人ばかりだ。一つの性格を誇張して人物像を作り上げると、こんな風になるのだろうか。ハッピーエンドにはなりそうもないのだが、この化け物のような人たちは、最後にはどうなっているのだろう。2016/01/05

Mana

5
鹿島茂さんの悪女入門で面白そうだったので図書館で借りてみたけど、失敗して随分古い翻訳を借りてしまった。旧仮名遣いが読みにくい(>_<) でも、話はとても面白かった。旧仮名遣いも慣れれば読めるけど、一旦止まるとまた読めなくなるので、休みなしでどんどん読まなくてはならなかった。美人で玉の輿にのったアドリアーヌを妬むベット嬢と、貞淑なフリをしてアドリアーヌの夫ユロ男爵を引っ掛けるマルセフ夫人の、これも一種の友情が良い。男ってバカだなーって。上巻で着々と布石を打つベット嬢が、下巻からいよいよ怒涛の展開っぽい。2018/05/16

ちび丸

0
★★★★★

takeakisky

0
のっけから商人クルヴェルの率直且つ拙速な口説き。すぐストーリーに入るので、逆に戸惑う。42歳リスベットに与えられる過酷な容姿。ところがこれは長い長い仕込みの始まり。ぎらっと光る獣の目に出会うのは随分先。それにしても力が入っている。出てくる人出てくる人、みんな造型が濃い。門番のおかみさんまで疎かにしない。分析も勢いと説得力が強い。ユロ男爵の似非改心に、まあその時は本気なのだろうが、クルヴェルと二人してヴァレリーをこき下ろす、清々しくも無量の寂しさを呼び起こす場面、からの翌朝の更なる寂しさ。老い。見事。2025/05/01

tkr

0
14章まで読んで、物語の序説が終わったことが記されている。登場人物もあらかた出そろって、それぞれの人柄や背景なども分かって、いよいよ人間関係が絡まっていく。 悪女コンビに色香に迷う男たち。19世紀のパリの街角を想起しながら、習俗や金銭感覚、上流階級の考え方がとても具体的にわかるだけでも面白い。 15章以降は、金と情欲と名誉欲、そして復讐。それぞれが人間関係に巻き込まれて、決して渦の外には出られない、そんなハラハラする面白さがいよいよ露骨になってきた。果たしてどんな結末なのか、下巻がますます楽しみだ。2025/01/19

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