岩波文庫<br> フィガロの結婚 (改版)

岩波文庫
フィガロの結婚 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 250p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003252215
  • NDC分類 952
  • Cコード C0198

出版社内容情報

『セヴィラの理髪師』で,主人の伯爵の恋の橋渡しとして傍役をつとめたフィガロは,この劇では主役となり,自分の許嫁シュザンヌへ横恋慕する伯爵を,あふれる機智と勇気でこっぴどくやっつける.作者はこの中で当時の堕落貴族や,不正の法律,権力,政治を攻撃し,思索,言論,著作の自由を擁護しようとした.一七八一年.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

386
同名のモーツァルトのオペラ・ブッファの原作。ボーマルシェによる全5幕のファルス(笑劇)。意外にもモーツァルトのオペラは原作に忠実。というよりは、ボーマルシェの劇を知ったモーツァルト自身がダ・ポンテにこの作品をオペラの台本にすることを提案したらしい。今となっては何ということのない笑劇なのだが、当時はそれこそ衝撃的な内容。なにしろパリでの初演が1784年。フランス革命のわずか5年前だ。しかも、その内容たるやアルマヴィーア伯爵らの貴族階級を徹底的に揶揄するもの。モーツァルトが気に入ったのもそこだっただろう。2022/02/25

のっち♬

110
結婚生活に倦怠した伯爵の横恋慕に憤慨したフィガロは婚約者も伯爵夫人も小姓も巻き込んで反撃に出る。貴族の堕落や権力の不正を痛切に批判し、思想や言論の自由が訴えられる。とりわけ、フィガロが「生れるだけの手間をかけた」だけで鼻高々としている伯爵を非難したり、生い立ちを回顧する長広舌には作者自身が乗り移っているような熱量を感じられる。両親の出現は荒唐無稽だが、フィガロも出し抜く女性陣の立ち回りや思わぬ齟齬が話を更に痛快で魅力的なものにしており、ここでも社会的地位よりも知恵才覚を謳歌する作者の奇略縦横が堪能できる。2021/05/28

NAO

73
『セビリアの理髪師』の続編。結婚後は妻のことなど振り向きもしないプレイボーイの伯爵は、フィガロの許嫁に横恋慕。その一方、実はやきもち焼きで、妻の行動に何かと干渉する。さらに、ロジーナの結婚の際フィガロに煮え湯を飲まされたロジーナの後見人と、フィガロと結婚しようと目論んでいる女中頭までが絡んできて、伯爵の屋敷は、もうとんでもないドタバタ騒ぎ。なんだかんだと大騒ぎして、最後には誰もが納得(?)の大団円だが、実はこの話の中で、密かにとんでもないことが起きていて、第三作目は悲劇になることを、まだ誰も知らない。2018/04/18

優希

54
面白かったです。フィガロとシュザンヌが、横恋慕してくる伯爵をこらしめるのが笑えました。濃密な空気感で当時の社会に自由を求める作品でもあるのですね。2024/04/28

syaori

45
フィガロの結婚、それは人々の思惑が渦巻く狂乱の一日。主人の伯爵は新婦に恋慕、奥方はそんな夫の女遊びを嘆いているし、フィガロに恨みを持つバルトロとフィガロに結婚を迫るマルスリイヌがいて、これに小姓の恋が絡む。もつれた事態は一つ解決したらまた問題が持ち上がるという有様で、フィガロと一緒に「どうしてこんな事になったのだ」と言いたくなるほど!この戯曲は仏革命の原動力となったことで有名ですが、そんな時代が過ぎても読まれ続けているのは、いつの時代も変わらない男女の綱引きを皮肉に楽しく描いているからなのかと思いました。2018/02/13

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