岩波文庫<br> カスパー・ハウザー―あるいは怠惰な心

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岩波文庫
カスパー・ハウザー―あるいは怠惰な心

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  • サイズ 文庫判/ページ数 586p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003247518
  • NDC分類 943
  • Cコード C0197

出版社内容情報

一八二八年、ニュルンベルクに突如現れた謎の少年。言葉もおぼつかず、長く幽閉されていたと思しき彼の存在は、瞬く間に世間を騒がせた。王族の落胤か、それとも詐欺師か。憶測はやがて、人々の同情を猜疑心と憎悪に変え、少年を追い詰めてゆく。ドイツ史上稀に見る真相不明事件を、鋭い洞察と緻密な構成で描き出した傑作。


【目次】

 地 図

第一部
 身元不明の少年
 カスパー・ハウザーの報告書、ダウマーが記す
 長官、影芝居の目撃者となる
 鏡が語る
 カスパー、夢を見る
 宗教、ホメオパシー、方々からの来訪
 ダウマー、形而上学を試す
 覆面の男登場
 ツグミの心臓
 遠方からの知らせ
 イギリスの伯爵
 極秘の任務とそれに邪魔が入った顛末

第二部
 仮面をつけつづける者と本音を言う者の会話
 夜になる
 書簡の章
  トゥーハー男爵からスタンホープ伯爵への書簡
  ダウマーからフォイエルバッハ長官への書簡
  フォイエルバッハ長官からトゥーハー男爵への書簡
  トゥーハー男爵からフォイエルバッハ長官への書簡
  ダウマーからフォイエルバッハ長官への書簡
  ベホルト夫人からクヴァント夫人への書簡
  カスパー・ハウザー移住の実施に関するヒッケルの報告
  ビンダーからフォイエルバッハ長官への書簡
  スタンホープ卿から謎の紳士への書簡
 太陽への祈り
 クヴァント氏、及び当面名前を伏せておく婦人について
 ヨセフとその兄弟
 ファルケンハウス城
 クヴァント氏、微妙な話題に踏み込む
 呼び声
 旅に出ることが決まる
 旅のはじまり
 シルトクネヒト
 劇に邪魔が入る
 クヴァント氏、秘密を暴く最後の企て
 時代の謎

  カスパー・ハウザー、及びヤーコプ・ヴァッサーマンの略年譜

  訳者あとがき

内容説明

1828年、ニュルンベルクに突如現れた謎の少年。言葉もおぼつかず、長く幽閉されていたと思しき彼の存在は、瞬く間に世間を騒がせた。王侯貴族の落胤か、それとも詐欺師か。憶測はやがて、人々の同情を猜疑心と憎悪に変え、少年を追い詰めてゆく。ドイツ史上稀に見る真相不明事件を、鋭い洞察と緻密な構成で描き出した傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

70
1828年のドイツに突如、現れた身元不明の少年、カスパー・ハウザー。幽閉されていたらしく、言葉も社会規範もおぼつかない野生児とも言える、純粋無垢で謎めいた存在の彼に人々は狂乱、注目し、庇護していく。しかし、彼の振る舞いに王侯のご落胤や詐欺師などのラベリングがされていく内に彼はどんどん、追い詰められていき・・・。誰もがカスパーを気にかけながらもその心情を理解しようとしてなかった悲劇。それが彼の臨終の言葉に的確に表現されているようで虚しい。人間関係とは自分にとって都合の良い幻想の押し付け合いなのかも。2026/01/28

tosca

28
1828年ドイツ。言葉もおぼつかず長く地下牢に幽閉されていたとおぼしき17歳の身元不明の少年が忽然と現れた。王族の落胤かと話題になったが、憶測はやがて人々の猜疑心に変わり少年を追い詰めてゆく…これは実際にあった話だそうだ。彼の没後70年経ってから出版された本書、興味深かったが読後感が悪すぎる。人々の無理解や不寛容、こんな人生があって良いのか。周囲からの虐待まがいの扱いや差別。長期間幽閉されたのだから信仰を知らず神を理解できなくて当たり前じゃないか。無知な悪者扱いをされ孤独に生きた彼の短い人生は何だったのか2026/03/08

TI

8
19世紀初頭のドイツに突然現れた言葉もおぼつかない青年。 長期間幽閉されていたとおもわるカスパー・ハウザーについての本。こんな本があったのか?だんだん言葉も覚えていくが結局誰なのか?どこにいたのか?何故幽閉されていたのか?などは全く解決されず。2026/01/27

しゅん

7
カスパー・ハウザーは、1828年、独ニュルンベルクに現れた。それまで、幽閉されており、言葉もおぼつかない、社会的に全く成長していない状態だった。それから、様々な人の尽力で、彼は言葉を学び、様々なことを学んでゆき、成長するが、彼の心の中にはいつも、様々な葛藤があった。しかし、周囲の人間は、よく考える人も悪く考える人も、いずれも彼を真に理解しようという、努力をしていない。それんしても、彼は一体、何ものだったのだろうか…。2026/01/18

ひっさん

5
夢か現か。私は小説を読んでいたのか。夢を見ていたのだろうか。 言葉は甘く、苦いということ。言葉には表情があるということ。 自由の甘美さを味わいながら、彼の翼が他人によって失われていく現実。 相手を理解しようと歩み寄っても、完全には他者を理解できない。 一方で、相手を知ろうとしない、歩みを止めると、完全に盲目になり相手の声も聴こえなくなり偏見が生まれると思う。 私も完全にカスパーを理解できなかったと思うが、彼の“声”は聴こえたと思う。 史実だから、結末も含め多くが読者へ委ねられているように感じた。2026/02/14

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