感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
129
何と言っても、エフィは若すぎるわ。母の初恋のようであった人と結婚するには。友達もいない所へお嫁に行くには。仕事で不在がちの夫を待って暮らすだけには。17歳なのだから。彼女の両親も、夫も、どうして二人の結婚を望んだのかしら。不自然に過ぎる。自然の息吹と彼女の若さと瑞々しさが誤魔化している不穏さが、ザワザワと文章の中に漂っている。2017/04/23
まふ
97
フォンターネ初読み。「ドイツの詩的リアリズムを代表する最も重要な人物」ということで、その代表作がこの作品。名作とされる本作は81歳で書かれたということらしく、文章も清冽で自然な勢いを感じる。フォン・プリースト家のエフィー(17歳)が荒涼としたバルト海地方のポンメルンのゲールト・フォン・インシュテッテン男爵に嫁ぐ。上巻はその嫁ぎ先で娘のアンニーも生まれて幸せな気分になっているところで終わる。陰鬱な館の夜中に中国人の幽霊が歩いている、という恐怖も下巻で明らかになるだろう。G1000。2024/12/20
NAO
52
夢見がちでお転婆なだけでなく刺激的なことを求めるエフィだが、これは16歳という若さというよりは、彼女の性格からくるものだ。まだ早すぎるとしか思えない結婚を承諾したのも、結婚生活への憧れからでしかなく、だから、結婚までの具体的な希望はあっても、婚約者のことなど実はなんとも思っていない。婚約者のことを好きではないという自分の本心を、彼女が気付くことはあるのだろうか。それに気づいた時、彼女はどうなるのだろう。 2017/06/27
naoco
4
読みやすくすっと読めました。時代背景などをきちんと理解したらもっとちゃんと読めるんだろうなと思いつつ下も楽しみです。2023/08/28
壱萬参仟縁
4
1941年初版。旧字体が多く読み辛い。「ロシヤといふ國はアメリカなどよりずつと結構な處」(173ページ)。19世紀の作家だから、この時代の背景を知っておかないといけないな。「六月初めにいよいよ湯治季節(セゾン)にはひる」(193ページ)云々とある。冬ではなく、日本の梅雨の時季に湯治する文化もあるのだと知った。2013/01/23