岩波文庫リクエスト復刊
ルーマニア日記

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003243626
  • NDC分類 945
  • Cコード C0190

出版社内容情報

第1次大戦に従軍したカロッサの軍医としての体験記録.陰惨な冬のルーマニア戦線に生死の間をさまよいながら,いつも柔軟で素直な心を失わなかった詩人――敵兵を見つけても,砲兵隊の観測将校に教えるべきか否かに悩んでついに黙っていた彼であり,砲煙弾雨の血なまぐさい巷に,自然と人生の意味を静かに見つめていた彼である.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Lucie

11
こちらの古本屋で偶然見つけた本。古本屋にはいつも思いがけない出会いがあるから好きだ。極限状態で見える人間の本性は、はたしてこんなに美しいものだったのだろうか。カロッサは上澄みだけを丁寧にすくい上げたのだろう。いつも下のドロドロの部分ばかりをみていたから、こういう部分があるという事実に胸をうたれた。2014/06/18

qoop

7
第一次大戦にドイツ軍医として参加した著者。本書は戦地での体験のうち二ヶ月強を綴ったもの。非日常の中に日常を、生死の境に未来を、過酷さのうちに変わらぬ人間の営みを見るその視点は、医師としての経験ゆえか、曇らぬ透明感と穏やかな詩情に貫かれている。ただし穏やかな…というのは語弊があるかもしれない。徒らに昂らない精神は戦争という狂騒に隠された実相を見通す鋭さを備えていて、ときに戦争/軍人/庶民などに対する紋切り型の思い込みを砕く強さを示すのだから。2018/04/27

Mayumi_M

2
医者だけど詩人で小説家というハンス・カロッサの戦中日記。医者で詩人な小説家のせいか、描写がイチイチ芸術性高くて何と云うか。それなのに、乳をやれないからと殺された子猫らのエピソードに戦争の正体を垣間見させられた気がしてショックを隠せなかったり。#猫バカ2018/03/29

Lieu

1
そもそもドイツが第一次世界大戦でルーマニアと戦っていたことも知らなかった。同盟国と連合国の様々な国籍の軍人が出てくるが、ほとんどの人が敵側に特別強い憎しみを抱いている様子もなく(軍医の著者の目には負傷者の国籍など関係ないのかもしれないが)、現地の人とも普通に交流したりしながら、しかし戦闘は戦闘として殺し合うのが却って恐ろしい。抑制的で客観的な文体であるが、時折夢や戦死した仲間の詩が挟まれる内省的な箇所もあり、不思議な読書体験であった。2023/08/22

astrokt2

0
未レビュー2009/05/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/200608
  • ご注意事項