出版社内容情報
日常のことばでニューイングランドの農村や自然、人生を語り、二十世紀アメリカの「国民詩人」として愛されるロバート・フロスト。素朴で大らかな描写の下に不気味な暗さをたたえるその詩から、三十六篇を精選、原文とともに味わう。
内容説明
「黄色に染まった森のなかで、道が二手に分かれていた」日常の言葉でニューイングランドの農村や自然、人生を語り、20世紀アメリカの「国民詩人」として愛されるロバート・フロスト(1874‐1963)。素朴で大らかな描写の下に、不気味な暗さをたたえるその詩から、36篇を精選。多様な「意味の音」を伝える原文とともに味わう。
目次
牧場
わが十一月の客
待つ
まぐさ刈り
一叢の花
石垣直し
雇われ農夫の死
自宅埋葬
りんご摘みのあとで
薪の山〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
74
岩波文庫の対訳詩集シリーズは各単語の注釈や執筆背景などを説明したコラムも豊富で本当に有難いです。英文は簡素で一番、読みやすいかも。季節の美しい移り変わりの中で営まれる生活の喜びや身体感覚は安心感を与えてくれます。しかし、長い詩は生活の中で意識しないでいた不安や恐怖がふと浮かび上がり、現実となる様を切り取っており、正に怪奇小説のよう。「雇われ農民の死」の人生で何一つ、実らずに人からも嘲け、哀れまれ、死を迎えていく事や「自宅埋葬」の息子の死による捉え方の違いで夫婦仲が破綻する現実は冷え冷えと迫ってくる。2018/10/08
aika
42
代表作「選ばなかった道」に惹かれて手に取りました。ニューイングランドの大自然を描く牧歌的でのどかな詩かと思いきや、演劇のように台詞で進んでいく「雇われ農夫の死」や「自宅埋葬」など、喪失を目の前にした時に人が否応なしに襲われる絶望と、それでも残された人々の生活は続いていくしという現実が尾を引きました。「老人の冬の夜」で描かれる圧倒的な孤独にも。一方で「雪の粉」という短い詩にふと気持ちが和んだり、「雪の夜、森のそばに足を止めて」というタイトルの名訳が胸に迫ったり、アメリカの国民詩人の奥行きの深さを感じました。2023/02/22
とよぽん
33
「モミの手紙」の作者、ロバート・フロストの対訳詩集。36編が収められている。「一叢(ひとむら)の花」「火と氷」「大地に向かって」が好き。自然、人生を語り、20世紀アメリカの国民詩人として愛されてきたとのこと。(1874~1963) 日本語訳は物静かな雰囲気だった。2020/01/01
ケニオミ
13
『選ばれなかった道』が好きなので、それだけのために借りてきました。(はい、全部読みました。)どうやら詩は、僕の翻訳の守備範囲にはまだ入っていないようですね。語彙力が求められ、半分痴ほう症になりかかっている初老のおじさんには大変難しいです。でも本書を読むことで、痴呆のおじさんでも少しは勉強できたような気がします。継続あるのみかな?2021/06/08
misui
5
ロバート・フロストはいいぞ。2020/04/03
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- 和書
- 長宗我部元親 人物文庫