出版社内容情報
豹の襲撃,大火事,謎の若者の正体は? -上巻はクリスマスの出来事であったが,下巻は翌年の春から秋まで.広大な開拓地の,絵画のように美しい季節の移り変わりを背景に,物語は佳境に入ってゆく.(全2冊完結)
内容説明
豹の襲撃、大火事、謎の若者の正体は?―上巻はクリスマスの出来事であったが、下巻は翌年の春から秋まで。広大な開拓地の、絵画のように美しい季節の移り変わりを背景に、物語は佳境に入ってゆく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
64
土地に絡んだ諍いの他に、森林の伐採や魚の乱獲などやりたい放題の者たちと、開拓だからといって何でもしていいというのはおかしいというテンプル判事やナッティなどの考え方の相違などのリアルな人間模様だけでなく、自然の描写がとにかく美しい。四季折々に見せる森や湖の表情。鹿狩りや湖での漁の活気。その一方で描かれるパンサーの恐ろしさや山火事の恐怖など、作者自身が実際にそこで生活していたからこそ描くことのできる生々しさで、その描写の正確さと美しさに心を奪われる。 2022/05/15
壱萬参仟縁
10
「貧しい者たちはみな、ものが豊かにあるときはいつでも放蕩になりよるもの。明日にそなえて蓄えるということを、めったに考えないのだわい」(57頁)。この点、思いされるのは、二宮尊徳の報徳仕法だったと思う。今、余っているのなら、今、使わず、未来へとっておく、貯金の発想。5%で消費するのではなく、8%に備えるが如し。2013/10/04
Alm1111
1
これは「モヒカン族の最後」を読まねばなるまい。レザーストッキングことナッティの生き様に打たれた。それから翻訳と方言の使い分けが実にいい。ナッティは北海道弁?ぴったりくる2020/01/14
ローリングエルボー
0
最後に少しわかった2015/12/31
びーとぅん
0
課題用。美化されすぎなキリスト教化されたインディアンと、白人たちの開拓者としてのエゴ。皮肉ではあるけど、それぞれがそれぞれの文化の中で信じる正義を貫くことは、やっぱり難しいね。情に訴えることで感動を誘うラストなのがせめてもの救いな気が。2013/06/29