出版社内容情報
たまたま黒い皮膚をもって生まれたという,ただそれだけの理由で,何が故に彼らは言語に絶する貧困と人種差別の痛苦を受けなければならないのか.宿命を負った著者の,忠実な自伝的小説である本書には,いわゆる「黒人問題」の社会的論議はない.むしろ抒情的ともいえる筆致で,読む人すべての胸に訴えつづけてやまない.
内容説明
南部の親戚を転々とし日銭を稼ぐなか九年級卒業が近づく。少年は総代になるが、校長の草稿を拒否し自分の演説で押し通す。何を書くか、いかに書くか。白人の図書カードで借りた批評家メンケンの本に文学の可能性を見た、19歳の決断―北部への脱出。シカゴ行き列車に、自由を賭けて。自伝小説。
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- 和書
- 機関科提要 〈中巻〉