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岩波文庫
死の谷 〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003231616
  • Cコード C0197

出版社内容情報

アメリカ文学に自然主義の作風を導きいれたノリス(1870‐1902)の代表傑作.マクティーグの妻は,富クジで当てた5000ドルを隠し持っている.彼は妻を殺してそれを奪い,鉱山地方へと逃亡する.追手に追われ奥地へ逃げのびてゆく彼の行手には荒涼たる砂漠・死の谷が待っていた.スリルとサスペンスに富み,人間の金銭欲を徹底的に描いた小説.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

120
息子を社会的にましな地位につけるがために働く母と、なんとか勤勉に勉強し務め、その結果、歯医者になり日銭を稼ぐ男。それなりの衣食住をし、友人もでき、お金に多少鷹揚でもなんとかなる暮らし。それが、友人の姪、それも友人が気に入っている姪の歯の治療を彼が担当したことから、歯車が狂い始める。決定的なのは、彼女が高額の宝くじに当たったことだ。思いもかけないお金は、人の性質を変容させ、人間関係を狂わせる。若者3人と対照的な思いあう老人二人には心が和らぐ。反対にコソ泥のようなマリアは、薄気味悪く、不運を運ぶ者に見える。2017/01/03

まふ

98
米国自然主義文学の第一人者と呼ばれるノリスの代表作。舞台はサンフランシスコ近郊。冴えない風貌と感受性の歯科医師マクティーグが、親友のマーカスの従妹の美人トリナ・ジーペと結婚する。トリナは彼を怖い男と思うが自らを鼓舞して受け入れる。トリナは結婚直前に宝くじで5000ドルあたり、二人の関係は一変する。トリナは金以外に興味がなくなって二人の間がぎくしゃくし出す…。さして魅力のないストーリーが連綿(ダラダラ)と続いて盛り上がらないままに下巻に入る…。G1000。2025/04/09

Koichiro Minematsu

37
それが死に向かうことであっても求めるもの、引き寄せられるものに人はさまよう2024/12/31

ひでお

5
初めて読む作家さんです。自然主義文学と銘打たれているのでゾラのイメージで読み始めましたが、アメリカの作家らしく、多様な移民たちの存在など、随所にアメリカらしさがあります。上巻では(おそらく)下巻へと続く下地がえがかれています。市井の人物の素顔をくっきり描き、とくにマクティーグの愚直な性格に隠れた凶暴性や妻トリナの性格は、読み手の意識にしっかり刻まれます。下巻も楽しみです。2021/12/28

びーとぅん

3
発表資料用。まだ上巻しか読めてないけど、マクティーグみたいな人間は私は割と好き。資料作りの関係であらすじを読んでしまったので、下巻の展開も大体知ってはいるんだけど、それでも人間って本来こういう生き物なのかもなあとつくづく思う。トリナも含めて。著者のノリスはアメリカ自然主義文学の先駆者のようだけど20代半ばでこの小説を書いたのかと思うと、32歳という短命で人生を終えたことが残念でならない。何でこの世の中は天才ほど短命なんだろう、とあらためて思う。2013/10/20

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