出版社内容情報
生きる目標を失った第一次大戦後のイギリス知識人階級の生活と精神状況を描くことで近代の合理主義思想と楽天的な進歩思想にたいする懐疑と絶望を表白した長篇小説.ハックスリ(一八九四‐一九六三)を大作家の列にくわえた彼の代表作であるばかりでなく,「絶望の一○年間」とよばれる一九二○年代イギリスの文学を代表する傑作である.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりぱい
3
この対位法という構成がくせ者なのかすごいのか、場面がぶつぶつ切られて進展する。最初の男女の駆け引きが(特にウォルター!)わかりやす過ぎて煩わしー!煩わしいけど、見えてくる恋愛の身勝手でリアルな心情。複数織りなしてゆく恋愛や親子関係にあって、そう魅力的でない人物ばかりが集まる中、好感だったのがメアリとマークのラムピオン夫妻。メアリの型破りなところが、ルーシーの奔放さとは違っていい感じなのだけど、D・H・ロレンス夫妻がモデルだそうで、へえ・・。2011/07/04
そう
1
所詮、この世も人生も感情も虚しいものなのです、小市民的で厚顔無恥なものが長らえるのです、と作者は言いたいのだろうか。虚しいと思うのならばそれを選ばない潔さが必要なのかもしれない。ちなみに私は小市民なので、小市民的に生きることにためらわないですねー。むしろためらいたくないというか。2009/03/03
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