岩波文庫<br> 虚栄の市 〈6〉

岩波文庫
虚栄の市 〈6〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 181p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003222768
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

8
「最も多く愛する者は常に敗者であり…」というトニオ・クレーゲルの言葉を地でいくドビンはどうなるのかと読んでいたのですが、落ち着くところに落ち着きほっとしました。この物語の2人のヒロインは同じだけ魅力的で同じだけ女の嫌なところを持っていました。アミーリャの従順で優しく、自分の思いも分かっていないところにいらいらさせられますし、レベッカのボヘミアンな性質と上昇志向に眉を顰めたりもしますが、それが彼女たちの魅力になっています。最後のほうはまとめのために風刺と諧謔味には欠けたかなと思いましたが十分面白かったです。2016/01/21

まふ

4
およそ2ヶ月ダラダラとかかって読んだ。内容は19世紀の初頭から中ごろまでの時代の話であり、ディケンズとよく似た世界であるが、中流から上流の世界であり、ディケンズよりも殺伐たる雰囲気はないが、馴染み深い世界であった。主役がいないとは言うものの、細腕一つで自らの虚像的世界を作り上げたレベッカ・シャープが事実上の主役だ。これほどの知恵の働く美貌の女性はいない。根本は性悪でもないところがよろしい。よく出来た物語だが、ディケンズやバルザックの下層社会のすさまじい陰鬱、絶望感からは少し距離がある。2019/03/17

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