出版社内容情報
唐詩に新風を吹き込んだ白居易.地方長官として赴任した三峡・杭州・蘇州など各地の風物をうたい,生涯の友ゲンジンと交わした詩で友情の文学を確立.やがて朝廷は醜悪な政争の舞台となり,洛陽に隠棲.風雅を尽くした大邸宅で,物心両面のゆとりを悠々と楽しむ.そこで実現した「閑適(かんてき)」「知足(ちそく)」の精神は,文人理想の生き方として継承される.(全2冊完結)
内容説明
唐詩に新風を吹き込んだ白居易。三峡・杭州・蘇州など各地の風物をうたい、生涯の友元〓(じん)と友情の文学を確立。引退後は風雅を尽くした洛陽の大邸宅で、物心両面のゆとりを悠々と楽しむ。そこで実現した「閑適」「知足」の精神は、以後の文人理想の生き方。下巻には一〇三首を収録。
目次
4 忠州時期―元和十四年・四十八歳‐元和十五年・四十九歳
5 長安時期(二)―元和十五年・四十九歳‐長慶二年・五十一歳
6 杭州時期―長慶二年・五十一歳‐長慶四年・五十三歳
7 洛陽時期(一)―長慶四年・五十三歳‐宝暦元年・五十四歳
8 蘇州時期―宝暦元年・五十四歳‐宝暦二年・五十五歳
9 洛陽時期(二)―大和元年・五十六歳
10 長安時期(三)―大和元年・五十六歳‐大和三年・五十八歳
11 洛陽時期(三)―大和三年・五十八歳‐会昌六年・七十五歳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
42
上巻では社会や政治に対する意見を述べた「諷諭」の詩が多かったが、下巻では地方に左遷されたりしながらも70歳まで官僚を続けた白楽天の生活を語る「閑適」の詩が多かった。特定の個人や事象を取り上げて生々しく描く「諷諭」の詩も印象に残ったが、平易な言葉で語る「閑適」の詩も穏やかな気持ちで読むことができた。ときにリズム感を出すためか、字数を一部変えているところがあって、形式にとらわれないところがやがて宋詩にもつながっていくのかなと思う。2023/01/27
きゃれら
21
ゆっくりゆっくり読んでいく。時々、聞いたことのある詩句にあたり、はっとする。下巻は、詩人の後半生の作品が集められていて、特に公職を退いてのんびり過ごした日々の句がほっとさせてくれる。枕草子や源氏物語をはじめ日本文学への広範囲な影響も確かに感じた。きっと何度でも読み返し、覚えるくらいになるのがよいのだろう。それが詩の楽しみ方だと思われる。2024/08/08
Kuliyama
1
調べたいことがありまして、手にしました。探していた詩は見つかりませんでしたが、詩と文で3800首と多数のため仕方ないかと。2018/04/20