出版社内容情報
尾﨑士郎の特質が最も良く表現されているのは、短篇小説である.政治小説、従軍文学、抒情小説、自伝的作品のテーマ毎に精選して1巻にまとめた
内容説明
尾崎士郎は長篇小説『人生劇場』で知られるが、短篇小説こそ人と作品が渾然一体となった作家の特質が最も良く表現されている。「大逆事件」を取り上げた小説、戦時下の従軍文学、内省的な抒情小説、哀感と情熱溢れる自伝的作品から、多彩な尾崎文学の真価を示す小説16作を精選する。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T. Tokunaga
2
文章の調子がよく、正確な修飾語と簡潔な文のつくり、ところどころ出てくる、若干の外連味のある漢語の効果が読ませる。内容的には、大逆事件、2.26事件、中野正剛、父の鎮痛剤中毒、淪落の薩摩琵琶の玉仙師匠、従軍記録というようなテーマが、わたし個人の認識や意見とは対極に近い、ある種の「早稲田右翼」的な(すなわち、「無関心とレジャー」への国家社会主義的、教養主義的、ホモソーシャル、ある種の選民思想を伴うカウンターカルチャーごっこの)見解なのだが、読ませるものは読ませる。2025/05/13
Tonveri_eva
2
第9回尾崎士郎賞に応募のため感想非掲載2022/09/30
ますたけ
1
鶺鴒の巣が印象に残った。あぁ、やってしまった。という感覚。懐に入れたものを再び取り出したときのあの感覚。2020/03/27