内容説明
フランス近現代詩の“見本帖”とも言うべき堀口大學(一八九二‐一九八一)の訳詩集。文語体、口語体、硬軟新古の語彙を多彩に織りまぜた本書は、その後の日本における訳詩および創作詩の“見本帖”ともなった。大正十四年刊の初版に基づく文庫版。
目次
ポオル・ヴアレリイ
ポオル・クロオデル
ギイヨオム・アポリネエル
シヤルル・ヴヰルドラツク
アンドレ・サルモン
ジユウル・ロオメエン
マツクス・ジヤコブ
レエモン・ラジゲ
ジヤン・コクトオ
ポオル・モオラン〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
98
先日堀辰雄の訳詩を読んで少し期待外れでしたので、口直しにこの本を読みました。学生時代に別の本で読んだのですが、岩波文庫に収められていたとは知りませんでした。フランス近代詩の作者に作品が綺羅星のごとく掲載されています。アポリネエル、ラジゲ、コクトオ、ボオドレエル(二つの作品のみ)、ヴェルレエンと私の好きな作家の作品は何度も読みなおしています。2017/12/27
lily
61
乳房、薔薇、接吻、恋は超頻出単語。大正期の日本とフランスの恋愛観の差異への羨望をも込めて五感の感覚は鋭敏になりながらワインのようにゆっくり味わい尽くしたのだろうと想像して、陶酔を重ねる。当時の読者は堀口大學の世界を跨いで悠然と社交界に浸る生き方にも興味が尽きなかったのかもしれない。2019/07/17
スプーン
38
何べん読んだって、本棚に積んどいたって、名作ですよ。2021/03/07
meg
28
美しい、ただただ美しい。2025/01/06
双海(ふたみ)
18
「君はまた微笑する。幸福は沈黙する」こういう一節が好き。「少女」に「をとめ」とルビを振ってあるのが時代を感じて好ましく思う。「処女」も然り。膨大な訳詩。日本近代詩への貢献、多大なものがあると思った。2020/09/20