内容説明
続編では、六世鶴沢友次郎、豊竹山城少掾、吉田栄三ら名人の逸話、淡路島での人形行脚、太夫・三味線・人形の三者の芸談・苦心談、戦争直後に文楽を襲った困難などを述べる。著者は文楽の歴史と研究方法を論じながら、昭和20年代における文楽の危機を強調しており、古典演劇の保護に示唆を与えている。
目次
上の巻 研究と随筆(続「文楽物語」;淡路島「人形」行脚;人形芸談;「浪花女」と文楽 ほか)
下の巻 批評と追悼(「寺子屋研究」―人形浄瑠璃と芝居との比較研究;人形浄瑠璃と芝居との「賀の祝」;人形浄瑠璃と芝居との「鮨屋」;「逆勝手」と人形と芝居との「太十」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shellgai
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「文楽の研究」とこの「続」を読むと、文楽が滅亡の危機を乗り越えてきたことがよくわかる。2013/04/21
rockadiske
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続の方が、だいぶ読みやすかった。作品ごとに見どころを挙げている部分は、故人の芸についてではあるが、充分参考になった。観劇を予定している作品に関しても記述があり、期待感が増した。文楽の危機についての記述が多いが、その分、現在読むと、その危機を乗り越えてきた文楽の底力といったものを感じさせられ、その魅力を改めて感じる事が出来た。2013/02/03
みつひめ
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正編に比べると、かなり読みやすかったのは、文体に馴れたせいか? 歌舞伎と文楽の比較は、今までまとまって読んだ事がなかったので、興味深い。2009/12/25