出版社内容情報
関東大震災後,明治文化回顧の風潮の一翼を担った『早稲田文学』「明治文学号」(全7冊)から35篇を抜粋した文学回想集.上巻には,逍遥,露伴など文明開化から明治20年前後までの17篇を収録.(全2冊)
感想・レビュー
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iwasabi47
3
明治初期の新聞や江戸から続く草紙、漢文や詩歌の話。日本文壇史読んでなかったら、見当付かずだったかも。2021/04/03
壱萬弐仟縁
0
「英書で哲学の本を読出してから、社会とか、人生とか、自由とか、民権とか、言始めた」(215ページ)。西洋化の影響が濃厚だが、現代日本人も未だにそうした西洋由来を鵜呑みしたり、無批判に受け入れているようなことがある。反省しきりだ。「乱暴な言いかたをすれば、『近代文学』は(略)三角形ないし四角形がヨーロッパの芸術概念と出会うことによって解体し、高尚で真面目な芸術として成立した」(338ページ)。三角形は歌舞伎、浮世絵、小説。第4の存在感が坪内逍遥の指摘で興味深い。2012/08/04
めーてる
0
『早稲田文学』の「明治文学号」に収録された文章のなかから35篇を選び、それらを二分冊して収録した本。幕末~明治初期にかけての、文学の見落とされがちな一面が描き出されている。とても興味深い。2018/11/29