出版社内容情報
現代日本を代表する詩人三好達治(一九〇〇‐六四)は,また比類ない随筆の書き手でもあった.俗に対するはげしい嫌悪を持ちながら決して世捨人にならず,人間を愛し,鳥や虫,植物にやさしいまなざしを注いだ.長年その作品を愛読してきた編者は,七一篇のエッセイをえらび,独自の観点から編集して,その醍醐味を十二分に味わわせる.
内容説明
現代日本を代表する詩人三好達治(1900―64)は、また比類ない随筆の書き手でもあった。俗に対するはげしい嫌悪を持ちながら決して世捨人にならず、人間を愛し、鳥や虫、植物にやさいしまなざしを注いだ。長年その作品を愛読してきた編者は、70篇のエッセイをえらび、独自の観点から編集して、その醍醐味を十二分に味わせる。
目次
1 みょうがのこ
2 正覚坊
3 柘榴の花
4 蟇どの
5 路
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
19
のんびり随筆を読んでいた。寝そべって。自分もこういう風に書くことができたら、どんなに楽しいだろうと思いながら。2016/12/25
月
9
★★★☆☆(萩原朔太朗、室生犀星の繋がりで詩人・三好達治に手を伸ばす。三好達治の随筆は、その文体の中に、ある種の自然的柔らかさと、穏やかな陽射しのようなものを感じる。巻末の解説者の言葉を借りればそれは一種の「清風」らしい・・・成程上手いことを言う。その文章を井伏鱒二は端麗、小林秀雄は正確と評したそうだ。朔太朗没後、その全集の編集をめぐって、犀星と三好が対立したのは有名な話だが(二人とも朔太朗に対する思い入れが深く、一方は友として、一方は師として)、三好はその犀星にも多くの影響を受けた詩人でもある。) 2013/07/10
Lisa Tada
5
読了に長くかかった。たいへん沢山の、短い随筆が収録されている。編者は中野孝次氏。一篇一遍のお話が、深く、慎重に言葉の一つ一つを選び抜いて編まれ、配慮の隅々まで行き届いており、一話読んでは本を閉じ、心を動かし、思いをめぐらし、想像の中に没入した。また、時代も古い人なので、言葉選びが読むのに少しく難しく感じた。いずれそのうち再読してみるかもしれない。老齢になってから読み直してみたい1冊。ただ詩歌に関しては、私にもう少し知識とセンスがないと、よくわからないままだと思う。読書も鍛錬だなあと思いました。2022/05/12
ゆうづつ
4
動植物、人々、俳句に短歌。三好達治の言葉を通すとなんと鮮明なのでしょう。上手く言い表すことが難しい事柄を、こうも上手く形にして渡されると妬けてしまいます。的確なだけではなく、ユーモアもあったりして。やはり妬けてしまいます。2014/07/14
藤野
0
随筆、エッセイとかはあまり興味がなく読んだことが少なかったけれど、詩と同様に心の柔らかい部分に触れてくるような優しさのある文章だと思った。三好さんの文章はとても好き。2015/04/29
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- 和書
- 中学公民 完全マスター