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岩波文庫
中勘助詩集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 186p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003105184
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0192

出版社内容情報

静かな濃密な時の流れの中で,日常の細部を大切に書きつづけた孤高の詩人・中勘助(一八八五‐一九六五).その問題で生涯苦しんだ身内の人々への痛切な感情,大好きな子どもたちのこと,骨太な人生観照的思索等が簡潔なことばで紡ぎだされ,作者の深い感情と魂の遍歴が心に沁みわたる.短歌・俳句をまじえたエレガントな詩歌集.

内容説明

静かな濃密な時の流れの中で、日常の細部を大切にして書きつづけた孤高の詩人・中勘助(1885‐1965)。その問題で生涯苦しんだ身内の人々への痛切な感情、大好きな子どもたちのこと、骨太な人生観照的思索などが簡潔なことばで紡ぎだされ、作者の深い感情と魂の遍歴が心に沁みわたる。短歌・俳句をまじえたエレガントな詩歌集。

目次

無題(あはれなにものか常住なる…)
車づくし
母の死

麦藁小箱
秋日和
氷をわる
はつ鮎
こほろぎ
検印〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

70
『銀の匙』で有名な中勘助の詩集。短歌や俳句も収録。童謡のように無邪気な詩、人間の獣性を凝視した重たい詩、日本語の響きを生かした万葉集にも通じる味わいの素朴な詩など多彩な詩の世界。短歌や俳句も余技ではなく、細やかな感受性を感じさせるものが多い。中勘助の詩の中には俗に流されず、清らかに生きたいという祈りのようなものがある。だからと言って世間に背を向けるのではなく、小さな子供や苦境にある人、小さな生き物にやさしい眼差しを注いでおり、読む終わった後に胸の中にすがすがしい想いが残った。2013/09/24

shinano

25
詩は目でも観賞するものだということを中勘助の詩でまたも実感した。日本語が平仮名・カタカナ・漢字の三種の文字文化を持っていることが理由なのだろうか。国文科で学んだ勘助なので表現に仮名の使い方が、読み手(鑑賞側)に柔らか味と凄みを覚えさせるのであろう。音の表現が、平仮名を使って目で見た文字と読んだ音(おん)で微妙な印象差が頭の中と耳の奥に漂う。漢字で表し、すぐ平仮名で表し、またさらに平仮名でリフレインする。この技巧が勘助の詩中では嫌味にならない、不思議である。小説・随筆日記・詩歌と勘助の世界は魅力的である。2010/12/01

内藤銀ねず

14
この小さな詩集は、谷川俊太郎の解説がとにかく素晴らしい。詩をどうやって読むか、それは読書各自が好きなように読むのが正しい。作者の年譜と作品を照らし合わせて人生の機微を読み取ったりするのもいいし、作品のテクニックをあれこれするのももちろんいい。でも現役の詩人が他の詩人の作品を解説するとこうなる、を生まれて初めて味わったその衝撃は今でも忘れられなくて、時折読み返します。私の原点の一つ。2019/03/06

シュシュ

14
『銀の匙』を読んでから、中さんにひかれて…。散文、詩、俳句、短歌の区別なく、中さんの世界だった。特に家族や身近な人をうたった詩は、言葉にできないくらい心にしみた。谷川俊太郎さんのあとがきもよかった。2014/05/05

双海(ふたみ)

12
詩「飢饉」に衝撃を受けました。俳句や短歌も収録されています。「ゆふ月やもらひ湯にくる春日巫女」「わしはいま花のお江戸へいてくるぞ無事でくらしやれ桔梗なでしこ」2013/12/14

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