岩波文庫
近世物之本江戸作者部類

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  • サイズ 文庫判/ページ数 402,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003022573
  • NDC分類 913.5
  • Cコード C0195

内容説明

一九、三馬、春水、京伝…無名作者から馬琴自身まで、江戸戯作文学の作者たちを評伝すること百余名。歯に衣着せぬ論評で同時代作者たちを扱ったゆえに、写本の形で伝わった秘本は、作者・版元・読者をめぐる江戸出版事情も満載である。付録として山東京伝の評伝「伊波伝毛乃記」、山東京山による馬琴伝「蛙鳴秘抄」(抄)他を収録。

目次

赤本作者部(丈阿;近藤助五郎清春 ほか)
洒落本并中本作者部(遊子;風来山人 ほか)
中本作者部(重田一九;振鷺亭 ほか)
読本作者部第一(吸露庵綾足;風来山人 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

22
赤本作者部で、貸本屋は書物を所蔵しておき、これを期間を定めて貸し出した業者(28頁脚注三)。書物は新春に売り出した(同頁脚注四)。こいつは春から縁起がいいや、ということかな。中本作者部で、『貧福論』三巻がある。これは『世の中の貧福論』で1812(文化9)年刊(127頁脚注16)。タイトルからすると興味深い。読本作者部第一で、生活に精を入れたりければ、常にはあらぬこの歳暮(さいぼ)には、春の営みをしても猶、三、四金(きん)余りたり(233頁脚注11~16)。2015/01/03

feodor

4
客観的な評伝ではなく、割と馬琴主観によるもので、たとえば「その半生を戯作にて送りしは、この人のほかに多からず。しかれども、臭草紙には尤けきあたり作なし。只『膝栗毛』といふ中本のみ、いたく時好にかなひて十数篇に及べり。その名聞、三馬に勝れるは、この戯作あるによりてなり」(一九)といった感じで、結構辛口。そして、自負がすごい。友としての京伝の伝記「伊波伝毛乃記」や「著作堂雑記」の京伝関連記事、逆に京伝弟の京山による馬琴の伝記「蛙鳴秘抄」や「蜘蛛の糸巻」の馬琴関連記事も載せられている。2014/07/07

シンドバッド

2
馬琴による評伝であるが、人物によって極端な扱いがあるのが、なんとも読んでいて興味津々。2014/10/15

kawasaki

0
馬琴による江戸の作家たちの名鑑・評伝。脚注も充実。江戸時代の「文壇」「出版業界」を窺える。付録の文献や、徳田氏による解説によって、京伝・京山との確執・愛憎も、より一層興味深い。2016/11/01

禿頭王

0
馬琴の同時代作家への評伝集。馬琴の考証癖や辛口な批評から、馬琴の人柄が窺い知れます。馬琴の山東京伝評、山東京伝の馬琴評も収録しており、江戸時代の二大作家がお互いをどう意識していたがよく分かりました。やはりライバルの存在は大きいのですね。2022/01/27

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