出版社内容情報
第9番目の勅撰集.承久の乱後の京都で,九条道家等の政治的掣肘を蒙りつつ,老年の藤原定家がただひとりで撰進した新勅撰和歌集は,古代宮廷最後の光輝をとどめる華麗妖艶な新古今集の歌風と比べ,平淡優雅な作風を示している.千載集,続後撰集とともに二条家の三代集と称せられ,二条家を主流とする中世歌壇の方向を決定したものである.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
逆丸カツハ
19
学び舎の 書庫に我が夢 委ね去り 新たに知るは 古き趣き2025/09/12
双海(ふたみ)
8
岩波文庫創刊70年記念復刊(1997年 春)という帯がかかっています。2014/02/24
miyuki
2
有心故心に響き、韻律のよきもの故いいと感じられる歌が多いのである。こころある王朝和歌集であると言えるのである。2016/05/30
miyuki
2
とてもこころに沁みるうたが多い歌集です。平淡な歌が多いと思いきや、万葉集や古今六帖などの古くて素直な力強い歌も多く、かつ定家の撰ですから彼と同時代の新古今を支えた歌人たちや、実朝や西行といった現代でも評価の高い歌人も多く入選しているなど、とっても豪華でとにかく歌のバリエーションに富んだ勅撰集です。古今集ほどの絵巻物を紐解く展開と歌の鮮やかさはないですが、巻頭や巻末には優艶で素敵な歌が多く配置されている気がします。逆にいろいろな歌が混ざりすぎていて中途半端な印象も否めないですが、私の愛読の書です。
miyuki
1
2月21日より。部立ごとではよく読み返すのだが久しくに最初から通読。さすがは定家というべきか、いままでの王朝和歌にみられた様々なスタイルや趣向の歌が先代の勅撰集の歌と重ならぬよううまく集められている歌集だと思う。本歌取りがまさにそうで、有名な歌の本歌取りがわかりやすい形で選ばれているとおもう。かといって趣向だけでなく定家らしからぬ純粋な詩情の歌も多くとられており、たった千四百首程度の歌集なのに、さすがは大歌人藤原定家の撰集だ。熟読精読するとこの一冊で万葉から始まる王朝和歌をほとんど学べる気がするのである。2015/02/22
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