出版社内容情報
合戦記に人物譚,和漢の故事を織りまぜ,鎌倉時代から現代にいたるまで多くの人々に親しまれてきた,平家の全盛から滅亡までの物語.本冊には巻1から巻3までを収録,平家全盛の時代.新日本古典文学大系本の文庫化.(全4冊)
内容説明
合戦記に人物譚、和漢の故事を織りまぜ、鎌倉時代から現代にいたるまで多くの人々に親しまれてきた、平家の全盛から滅亡までの物語。第一冊には巻一から巻三までを収録。平家全盛の時代である。新日本古典文学大系本の文庫化。
目次
巻第1(祇園精舎;殿上闇討;鱸 ほか)
巻第2(座主流;一行阿闍梨之沙汰;西光被斬 ほか)
巻第3(赦文;足摺;御産 ほか)
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
294
久しぶりの通読。「祇園精舎の鐘の声」と語りだされる、無常観に満ちた壮大な史劇の始まり。文中には何度か「末代」(=末法の世)という言葉が出てくるが、まさに末代における「滅びの美学」がここに展開されるのである。とはいえ、この第1巻は巻3までなので、清盛を頂点とした平家一門の公達が「綺羅充満して、堂上花の如」き全盛の世である。そして、横暴を究める清盛によって、遂には後白河法皇までが城南宮に流される。もっとも、一門には重盛死去という暗雲がすでに兆しており、すなわち栄華の極みこそが滅びの始まりであることを暗示する。2013/03/11
だまし売りNo
20
平家物語の鼓判官への無礼は木曽義仲が乱暴と描かれますが、 #鎌倉殿の13人 鼓判官が先に義仲を馬鹿にしました。 2022/04/10
加納恭史
19
さて、太平記を読んで、どうも平家物語とつながりがあるようで、この本で平家物語を調べ始める。この本は平家全盛の時代である。巻第一に平家の登場がある。将門追討に功績のあった貞盛以後、平家は伊勢国を本拠とし、京にあっては、公的には諸衛官人、検非違使尉などを勤め、私的には有力貴族の家人となった。忠盛は、その妻、藤原宗兼の娘を仲介とし、鳥羽院の寵臣藤原家成に結びつき、院の執事別当となり、富と財力にものを言わせ、院内の昇殿を許された。巻第一の祇園精舎。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、奢れる人も久しからず、・・2022/08/12
mahiro
18
再読、100分de名著で平家物語は音読するための文章と思い出し音読してみたくなった。他の古典文とは少し変わった音便や人名や役職名の読み方など音読すると独特のリズム感をもって感情を揺さぶる。私の好きなのは宇治川の戦いと扇の的の辺りなのだが1巻にはない、でも出だしの祇園精舎は名文だし人名がどっと三十三人立て続けの公卿揃は噛まずに読むのは難しいが面白い。多少意味が分からずとも古文音読はなかなか楽しいストレス解消にも、しかし清盛が余りにも悪者に描かれていて気の毒だなあ。平家物語読むにつけても京都に行きたくなる。 2020/06/01
クラムボン
17
古典ビギナーなので全4冊通して読めるか心配だが、語り物なので文章がリズミカルでもあり、頭の中で声を出して読むと割と良いようだ。本文が右頁、注釈が左頁、現代語訳は無い。注釈が詳しいのは有り難いのだが、時に本文よりも難解だったりもする。元々が源氏贔屓なので、敵方の平家の公達は何やらお公家さんみたいで嫌いだった。でも年齢と共に平家に愛着を感じるようになった。家族愛が強く愛すべき人たちなのだ。「平家物語」には平家の活躍の場面は殆ど無いのだが、その中で《殿上闇討》は清盛の父忠盛の機転の効いた活躍が面白い。2021/11/03