出版社内容情報
瀬をはやみ岩にせかるゝ滝川のわれても末にあはんとぞ思ふ--院政期という混沌とした時代に生き、保元の乱に翻弄された悲運の人・崇徳院の想いが谺している。その崇徳院の院宣により藤原顕輔が編纂。仁平元年(1151)に撰進された六番目の勅撰集。古今集の伝統を踏まえつつ、新時代の歌風をも展開、和歌史の変容期をよく示している。
内容説明
瀬をはやみ岩にせかるゝ滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ―この歌には院政期という混沌とした時代に生き、保元の乱に翻弄された悲運の人・崇徳院の想いが谺している。その崇徳院の院宣により藤原顕輔が編纂。仁平元年(1151)に撰進された六番目の勅撰集。古今集の伝統を踏まえつつ、新時代の歌風をも展開、和歌史の変容期の姿をよく示している。
目次
巻第一 春
巻第二 夏
巻第三 秋
巻第四 冬
巻第五 賀
巻第六 別
巻第七 恋上
巻第八 恋下
巻第九 雑上
巻第十 雑下
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
58
崇徳院の院宣によって成った八代集の第六番目、詞花和歌集。時代背景やひとつ前の勅撰集(金葉集)との微妙な関係のせいもあり、成立当時もそして次時代からもあまり評判は芳しくなかった様子。それでも現在まで残っているとはさすが勅撰集。過渡期とはいえ、新古今調の余情とか幽玄に苦手意識がある私にとっては、当代の歌人からの入集が少なく、拾遺・後拾遺時代歌人が半ばを占めるこの歌集はとても読みやすかった。2022/01/01
双海(ふたみ)
11
院政期という混沌とした時代に生き、保元の乱に翻弄された悲運の人・崇徳院の想いが谺している。その崇徳院の院宣により藤原顕輔が編纂。仁平元年に撰進された六番目の勅撰集。古今集の伝統を踏まえつつ、新時代の歌風をも展開、和歌史の変容期をよく示している。和歌はわくわくする。2024/03/07
tyfk
8
金葉和歌集と詞花和歌集は同じ十巻の構成。百人一首のあれこれで崇徳院に興味をもち、どんな歌を詠んでいるのかなと。葉と花の、なんらか対応・対比の編纂意図があるらしいのだけど、数は400くらいとかなり少なめ。2024/11/22
澄川石狩掾
5
注釈と解説が充実していてとても良かった。 同じ岩波文庫でも和歌集によって解説の量にばらつきがあるので、充実した注と解説を付したヴァージョンにて、勅撰和歌集を揃えて貰いたい。2021/01/02
Kuliyama
3
解説がとても充実しており、大変勉強になりました。2021/01/26