出版社内容情報
『源氏物語』の作者として名高い紫式部も,実名や伝記など詳しいことは知られていない.しかし,この集に収められた彼女のほぼ全生涯にわたる歌と詞書は,その勝気で聡明な少女時代から晩年までの生活や心情・人柄などを,細かく感じとらせてくれる.娘・大弐三位,兄・惟規の集も併せ,紫式部研究に不可欠の一冊.
内容説明
源氏物語の作者として名高い紫式部も実名や伝記など詳しいことは知られていない。しかし、この集に収められた彼女のほぼ全生涯にわたる歌と詞書は、その勝気で聡明な少女時代から晩年までの生活や心情・人柄などを、細かく感じとらせてくれる。娘・大弐三位、兄・惟規の集も併せ、紫式部研究にも不可欠の一冊。
目次
校定紫式部集(定家本系)
古本系紫式部集(陽明文庫蔵)
大弐三位集(宮内庁書陵部蔵)
大弐三位集端白切
藤原准規集(宮内庁書陵部蔵)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
115
紫式部の歌集。娘と兄の作品も収録されている。素晴らしい歌ばかりで、心底感動した。このところ英語の小説ばかり読んでいたので、最初は日本の古文が頭の中に入らずに、四苦八苦したが、最後まで読めて良かった。紫式部の歌は現代的で、彼女自身の胸の内がストレートに伝わってくる点が素晴らしい。「年暮れて 我が世ふけゆく 風の音に 心の中の すさまじきかな」私が一番気に入った歌で、1000年以上昔の人が詠んだとは思えなかった。2017/08/01
壱萬参仟縁
44
ブックオフプラスでなんと100円(税込み)。掘り出し物。解説:式部の、勝気で、率直で、明るく優しく、知性ゆたかな、少女時代から、晩年近いころまでの、全生涯の歌が収録(189頁)。式部は陰性でなく、先天的気質も見られるという(196頁)。つまり、性格は後天的環境で変転を遂げる。背後に不変の素質もあることはある(199頁)。性格把握はとかく困難だ。本文は、門外漢ゆえ、〇付き脚注を頼りにする以外ない。それか、ChatGPTに現代語訳してもらうか。。2025/08/07
tsu55
19
紫式部の少女時代からおそらく晩年にいたるまでの歌が収められているが、幼友達との別れ、死別。夫との死別。若くして亡くなった、小少将の君の思い出等々、ある種の無常観のようなものが基調低音として流れているようで、 読んでいるうちに自然と愛別離苦 とか会者定離 といった言葉が 頭に浮かんできた。兄?(弟?)の藤原惟規や娘の大弐三位の歌に比べると内省的というか、暗いな。2025/06/27
ダイキ
8
源氏物語ミュージアムの行き帰りに読みました。「数ならぬ心に身をばまかせねど身にしたがふは心なりけり」、「心だにいかなる身にかかなふらむ思ひ知らねど思ひ知られず」、「影見ても憂きわが涙落ち添ひてかごとがましき滝のおとかな」、「むまれ木の下にやつるる梅の花香をだに散らせ雲の上まで」、「年暮れて我が世ふけゆく風の音に心の中のすさまじきかな」、「心ざし君にかかぐるともし火のおなじ光にあふがうれしさ」2016/10/16
双海(ふたみ)
4
世の中をなに嘆かまし山桜花見るほどの心なりせば2013/07/05
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