出版社内容情報
新たなる吸血鬼伝説の幕が開く。恐怖は伝染し、人類を支配する…。いつ現れたのか気づかない。気づいた時にはすでに侵されている。そう、ドラキュラ伯爵に…!『イノサン』シリーズの坂本眞一が圧倒的な画力で描く、スーパーゴシックホラー。19世紀末のイギリス、遠い国から海を越えてやってくる恐怖に立ち向かう、パブリックスクールの「こども」たち。ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』を原案に、坂本が新たな解釈と超絶表現で物語を変容~進化させる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
51
装丁と、緻密で美しい絵の中に恐怖と、耽美とグロが潜む。美貌のルークを巡るナイト達に色々ありそうで・・・恐怖がじわじわと忍びよってくる。彼らは最後の文が示す通り戦えるのだろうか・・・?2022/08/25
ぐうぐう
28
コロナ禍に描かれるドラキュラ伝説。坂本眞一は当然のことながら、感染の恐怖を下敷きにして19世紀末にドラキュラを改めて蘇らせる。「たとえ姿の見えない恐ろしい悪魔でも相手の行動や性質を観察 調査する事で必ず打ち勝つ事ができるのです‼︎!」コレラに対するこの発言が、ドラキュラと、そしてコロナとを重ねて読めてしまう。クトゥルフ神話を彷彿させるオープニングからして只事ではない。イメージ画が読者を、さらには連なる時代さえをも串刺しにしていくドラキュラ再誕の物語に、もはや震えあがるしかないではないか。2022/11/05
空のかなた
27
最初に表紙カバーの装丁からして、読み手に挑んでくる。開いてはいけない禁忌の書物のような雰囲気を醸し出している。ドラキュラ伯爵の美しくも禍々しい紅い目元、それとも狼のごとき獣の姿は、この刊では片鱗しか見えない。また、見開きの頁はどれもが、絵画のようであり、難解さと美しさの極地を併せ持つ。見惚れてしまう。真夜中に少女となる少年ルークには夜中の記憶はない、でも首筋には牙のあとがしっかりと。もう漫画ではなく「芸術品」に昇華した作品だと思う。イノサンより格段に難解な物語が始まってしまった。2022/03/06
yukaring
26
土だけが詰められた怪しい積み荷。船の中で次々と襲われていく船員たち。生者のいなくなった船が座礁しイギリスに到着、 座礁現場に居合わせた少年少女たちが見たものは翼の生えた不気味な獣の去り行く姿だった。夜だけ美しい少女ルーシーになる少年ルークや由緒正しい全寮制パブリックスクールなど、謎めいた筋立てと圧倒的な画力が芸術作品のような、新解釈の『ドラキュラ伯爵』の物語。2022/03/11
miaou_u
16
イノサンから続く坂本さんの凄まじい画力、展開もさることながら、 吸血鬼ものでありながら、疫病やフェミニズム、ジェンダー等、現代問題をも絡めて軸になさっているストーリー、お見事です。 これでまだ一巻の序盤とは、、なんと末恐ろしく醶い作品でしょうか。。尚、迂闊にカバー表紙を外してしまうと、眠れなくなる絵が飛び出します。ご注意ください。。⚠️2022/02/19
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- DINO 愛蔵版(12)終着点