出版社内容情報
東京二三区の六割の面積に二二〇万人が暮らすパレスチナ・ガザ地区。イスラエル軍の攻撃により、民間人を中心とする死者は三万人を超え、人びとは家を失い、飢餓状態に追い込まれている。長年パレスチナ問題の取材を続けてきた著者が、旧知の現地ジャーナリストの「報告」を通し、死と隣り合わせの日々を生きる人びとの声を伝える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋 眉雄
22
正気の沙汰ではないガザからの報告。死と隣り合わせの日々をなんとか正気を保ちながら生きる人びとの声を伝えています。現地で何が起きているのか。今読んでおくべき一冊と思いました。「この戦争が終わったら、戦争がもたらした社会的、精神的な影響をあなたは目の当たりにするはずです。この戦争は〝人間〟を破壊しています。すべての人がその内面を破壊されています。すべての人が、です。」2024/10/06
ぽんくまそ
15
家を壊される。民間人の弟と義弟が戦車の砲撃で死に、ろくな埋葬もできない。水が汚くて子供たちが病む。食料も薬も燃料もない。テントは夏は暑く冬は寒く雨だと中まで水びたしで子供たちは風邪やインフルエンザに。外国からの支援の缶詰は賞味期限切ればかり。若者たちは精神を病み道徳が崩れていく。パレスチナアラブの人たちは半世紀以上、イスラエルにさんざん虐められてきたが、今回は最悪だ。音楽祭襲撃やレイプをやらかしてイスラエルを煽っておいてガザ市民を守らないハマスの無責任ぶりに生き残ったガザ市民が怒っていることも知る。くそ!2024/08/12
makimakimasa
14
本書刊行時でこんな酷い状況なのに、まだ停戦に至っていない事実に愕然とする。報告者の家が破壊され、弟の脳が飛び散って死んでいた描写は悲惨そのものだ。ニュースでは見えない、壊滅した街での絶望的な暮らし、人々の感情が当事者目線で語られる。民衆とハマスは一体でなく、寧ろ民衆はハマスへの怒りを隠さなくなった。占領と戦う尊厳以前に、前提となる生存が飢餓で脅かされている。ハマスの所業は抵抗運動でなくテロという点で正当化されないが、根源的にはイスラエルによる占領という、メディアに乗りにくい地味な現象が最大の問題である。2024/11/05
マイケル
12
戦闘状態のガザ住民の悲惨な生活。本当に酷い。家は破壊されテント暮らし。常にイスラエル軍の攻撃におびえて安心して寝る事も出来ない。食料不足、お金が無くて買えないので1日1回の食事は期限切れ缶詰など。電気も来ない。どこかから木材盗んできて火をつけて調理。略奪横行。きれいな水も無いため感染症蔓延。住民の怒りはイスラエルとハマスにも。原爆投下決定の米国トルーマン大統領の尽力で可能になった1948年イスラエル建国でパレスチナ人が蒙った「ナクバ(災厄)」。誰が大統領になるかで後に大勢の死者が出るかどうかが決まる。2024/10/30
ののまる
7
そもそもガザの住民にとってハマスとは。もう泥沼で停戦もみえない。。。2024/09/23