出版社内容情報
灼熱のコンクリート道に、緑の日傘があったなら。待ったなしの気候変動対策に取り組むなか、世界の諸都市は≪樹冠最大化≫を目標に掲げ、IT技術も駆使して、身近な緑を豊かなものにしている。枝を短く伐られ、電柱のような街路樹が目立つ日本は、どうしたら変われるのか。米・独・仏、また国内都市の最前線を紹介。
内容説明
未来の世代へ“緑の都市”を育もう。国内都市のほか、米・独・仏の最前線も紹介。
目次
序章 「緑の日傘」の可能性
1章 アメリカ 樹木の「価値」を最大化する
2章 ドイツ 世界をリードするハンブルクの実践
3章 フランス 三都市の持続可能な街づくり
4章 日本の街路樹はなぜ「寂しい」のか
終章 再生のための七つの提言
著者等紹介
藤井英二郎[フジイエイジロウ]
千葉大学名誉教授。専門は環境植栽学、庭園学
海老澤清也[エビサワセイヤ]
(公財)えどがわ環境財団勤務。2019年まで江戸川区勤務。造園職として緑化事業に従事
當内匡[トウウチタダシ]
(株)庭樹園代表取締役。樹木医、街路樹剪定士指導員。(一社)日本造園建設業協会国際委員会副委員長、(一社)街路樹診断協会関西支部長
水眞洋子[ミズマヨウコ]
ペイザジスト(造園家、フランス農業省認定資格CESP)、ヴェルサイユ国立高等景観学校付属研究所(LAREP)所属研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
稲岡慶郎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
9
街路樹の管理の在り方を、欧州の先進都市の例をあげながら、どうしたらより良い樹木の形を作られるのか分かります。日本の街路樹の管理は役所から施工者にも考える点が多々あるようです。落ち葉や予算の問題もあるのでしょうが、よりよい緑の風景になるといいですね。2022/02/25
ichigomonogatari
8
街路樹は、気候変動・ヒートアイランド対策はもちろんのこと、洪水や精神的ストレスを緩和し生物多様性に貢献するなど都市における大変重要な「緑のインフラ」だが、日本ではその役割を十分果たせていない。この本は、海外の実践を知ることで日本の現状を見つめ直し、緑豊かな都市の実現を提言する。ちょきんちょきんに剪定された街路樹を近所で良く見かけるがプロが切っているのだから、このあとちゃんと成長すると普通に思っていた。剪定から政策まで問題だらけだと知りショックだ。官民知恵を出し合って街路樹を大切にしていきたいと強く思った。2021/10/12
刺繍好きの糸ちゃん
6
街路樹には主として交通の安全を守るために、木の刈り込みについての基準がある。けど、もそっと、環境や木のことを考えて良い木の形の作り方があるんではないかと。本書を読んでから、バイクで街を走りながら「この街路樹は良い姿、ここは可哀そう」など思うことしきり。同じ行政区の中でも木の姿、良し悪しがあるんだなぁ。不思議。2021/08/29
momonga
2
素人だが剪定のことは気になっていたので、この本を読んで頷けた。木々の多い街の方が住民にも旅行者にも魅力的だという考えがもっと広まってほしい。2023/07/16
NEBA
2
都の街路樹は寂しくなっているのは「街路樹」の衰退と剪定者の劣化が挙げられるということ。 年々暑くなる中でSDGs以前の問題として木陰を再考できる。 個人的に冷房が苦手なのでビル影でなく木陰を作って緑豊かな街づくりをして欲しい。2022/06/01