出版社内容情報
日本発の言葉「過労死」を死語に! 「過労で人が死ぬはずがない」と言われた頃からの遺族たちの闘いの歴史
内容説明
「過労で人が死ぬはずがない」とされ、「急性死」といわれていた当初から、遺族の声なき声に耳を傾けてきた無料電話相談「過労死110番」。今や「KAROSHI」は、英語の辞書にも載る日本発の言葉となった。だが、依然として過労死・過労自殺が減る兆しは見えない。今、改めて過労死をなくすために、どういった取り組みが必要なのか。考える出発点として、その救済の歩みをたどり、現在の課題を見据える。
目次
過労死の現状と「働き方改革」の行方
過労死110番の三〇年
取材を通して考える
遺族の話・1 夫を、そして父を家庭に取り戻すために
遺族の話・2 夫の生きた証、一〇年九か月の闘い
遺族の話・3 まるで無法地帯の職場が奪った息子の命
リレートーク 「過労死」を死語に
著者等紹介
森岡孝二[モリオカコウジ]
1944‐2018年、関西大学名誉教授、経済学博士(京都大学)。専門は企業社会論、株主オンブズマン代表、大阪過労死問題連絡会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うれい
4
全ての働く人、その家族に読んでほしい。60頁ほどなのですぐに読める。働きすぎて死に至ることが全く認知されず、今でいう過労死が「急性死」や「“いわゆる”過労死」と呼ばれていた時代から、会社に、社会に殺された遺族は闘っていた。人口に膾炙する前から過労死を問題として取り上げてきた遺族、弁護士、記者の話を少しずつ集めたブックレット。特に心に残るのはリレートークの織田さんの最後の言葉。人には悲しいことやつらいことを忘れようとする本性がある。しかし過労死で家族を失った遺族はその本性に抗い、何十年も闘ってきたのだ、と。2020/02/17