出版社内容情報
米国による大規模な個人情報収集の実態を告発し、世界を震撼させた元CIA職員スノーデン。亡命中のロシアで実現した、共同通信記者による単独会見の記録。共謀罪の本質、大量監視社会へ向かう日本のゆくえを問う。
内容説明
米国による大規模な個人情報収集の実態を告発し、世界を震撼させた元CIA職員エドワード・スノーデン。亡命中のロシア・モスクワで、共同通信記者による単独会見が実現した。スノーデンが読み解く「共謀罪」の本質、米国の監視システムに組み込まれる日本社会の現実とは―。為政者のためではなく、市民のための自由な社会を取り戻すために、いま何をすべきかを問う。
目次
プロローグ
第1章 共謀罪法、大量監視の始まり
第2章 大量監視は人の命を救わない
第3章 世界に広がる監視網の一翼
第4章 死ぬほど怖いが、やるべき価値はある
第5章 モラルに基づく決断は、時に法を破る―日本の人々へのメッセージ
エピローグ
著者等紹介
軍司泰史[グンジヤスシ]
1961年生まれ。共同通信編集委員。1984年、共同通信入社。1993~94年、テヘラン支局勤務。1995~99年、2008~12年、パリ支局勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よし
6
米国による大量監視に関する機密文書を公開したスノーデン氏に対する共同通信の記者(編集委員)の単独インタビュー。彼がどのような考えを持って行動したのか知りたいと思っていたので手に取りました。インタビューを通してスノーデン氏の実直な人柄や明快な考え方が伝わってきましたし、日本の「改正組織犯罪処罰法」や同法を巡る政治状況について詳しいことに驚きました。情報通信技術が急速に進展し、「裏グーグル」的な危険も高まっている中、個々人のモラルと法令順守の関係、人権や法律の在り方などについて考えさせられました。2018/01/09
roughfractus02
5
『マニュファクチャリング・コンセント』でチョムスキーはマスメディアが人々に過剰な対立構図を植え付け、その片側にいるように習慣づけると言った。スノーデンはその理由を「コレクト・イット・オール」するシステムを隠すパノプティコン構造として提示する。全監視システムは市民自身を監視対象ではないと思わせてSNSやメールに侵入し操作する。9.11以後テロの防衛の名の下、法の拡大解釈とメディアの自主規制に影響を及ぼしつつ、このシステムは全世界に及ぶ。そして2020年のオリンピックに向けてこの国も全監視システムを拡大する。2018/05/01
Hirouch
3
良書中の良書です。 学校で配布するのにぴったりのような本の体裁に思えるのでぜひとも配ってほしいです。 日本における「共謀罪」という問題を中心に据えて、それだけに留まらないもっと大きな視点から、民主主義における自由とは何か、プライバシーがが何故重要なのかを、本質を突き語ってくれています。 何よりすごいのは、どこまでも誠実であろうとする意志と、日本への愛情を感じつつも、視点は決してブレず冷静であること。 まさにインテリジェンス。2020/12/17
アーク
3
親日家のエドワード・スノーデン氏が語る共謀罪施行後の日本について書かれた本書、読了後は何とも寒々とした気持ちになった。様々な箇所で言われているように、共謀罪の問題点って範囲を組織だけにとどめていないことだよな。法律を過大解釈して個人を監視対象に含めてしまえばスマホ、パソコンははじめとしてスマートスピーカーや監視カメラなどなど個人を監視できるデバイスは急増しているので、プライバシーのない世の中になってしまう。今一度、この悪法の在り方を考えるべきだな、と思った一冊。2018/02/13
SK
2
43*政府を信じては、いけない。2018/03/01