内容説明
仏教は因果の理論をどのように体系化したのか―古代インドの宗教家たちは、業報輪廻の世界を苦しみと捉え、それを終極させ解脱する方法を探究した。本書は、仏陀直説と伝わる初期経典(阿含・ニカーヤ)から、かつて北西インドを席巻した説一切有部と、スリランカを中心に今も栄える上座部の教理書までを考察の対象とし、仏教が業報輪廻の世界をいかに認識・分析し教理化していったかを浮き彫りにする。
目次
序論
第1部 表の構造(行為の構造1)(上座部における表の構造;説一切有部における表の構造)
第2部 無表の構造(行為の構造2)(無表研究の総括と展望;静慮律儀と無漏律儀の構造 ほか)
第3部 業界の理論(上座部における相続転変差別;説一切有部における与果と得)
第4部 修道論における業滅と造業(不定業と既有業;上座部修道論における業滅 ほか)
第5部 業論と聖典解釈(上座部におけるアングリマーラ;説一切有部におけるアングリマーラ ほか)
結論
著者等紹介
清水俊史[シミズトシフミ]
2010年佛教大学大学院修士課程修了。2013年佛教大学大学院博士課程修了博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD、佛教大学総合研究所特別研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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