出版社内容情報
考えてもみなかったアイデアを思いつく。急に何かが降りてくる―。そのとき人間の中で何が起こっているのか。まだ見ぬ世界の〈外部〉を召喚するためのレッスン。
内容説明
何も閃かない、ネタ切れ、考えが浮かばない、アタマが硬い、センスに自信がない…。悩んでいてもいいアイデアは湧いてこない。それはふいに降りてくるものだ。従来の科学モデルでは説明できない想定外で不気味なものを思いつき、作り出そうとする、計算不可能な人間の創造力。それはどこからやってくるのだろうか。生命科学、哲学、文学から芸術理論までを自在に横断し、著者みずからも制作を実践することでみえてきた、想像もつかない世界の“外部”を召喚するための方法。
目次
第1章 「天然表現」から始める
第2章 外部へ出るために
第3章 作品における穴
第4章 脱色された日常
第5章 虫でも人でもない痕跡
第6章 完全な不完全体
第7章 痕跡候補資格者
第8章 創造性はどこからやってくるか
著者等紹介
郡司ペギオ幸夫[グンジペギオユキオ]
1959年生まれ。東北大学理学部卒業。同大学大学院理学研究科博士後期課程修了。理学博士。神戸大学理学部地球惑星科学科教授を経て、早稲田大学基幹理工学部表現工学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tenouji
17
この書を読む限り「働かないおじさん」は「何かに賭けている」とも言えるかもしれないと思えてくるw。もしくは、生物学における性の存在の根拠は、この「創造性」の実装に他ならないのかな。2023/12/30
Bartleby
15
本書は一言でいえば「創造入門」。 AIに代表されるような、閉じた知能というものがある。 そして、その陰画としての、未知。 しかしそこにはまだ創造はない。 創造の種は、まったく予想もしなかったような「外部」からやってくるのだ。 この外部をいかに戦略的に招き寄せるか。その仕掛けをいかに作るのかを本書では論じる。ユニークなのは著者自身が美術作品づくりを実践していることだ。ここ数年読んだ中でもっとも刺激的な内容の本だった。2024/01/24
武井 康則
11
生物の創発等を研究している著者は、創造のメカニズムを考え、自ら芸術表現を創造してみようと行動する。同時にその思考過程、記録を取り、本書とした。自分を超えるモノを創造するなら、それは外部から来なければならない。来ただけでは形にならないから、自分と違うものと対峙し同時にそれが自分にならなければならない。各レベルで二項対立が起こり、矛盾が生じるわけだが、それはつまり弁証法ではないのか。また、芸術作品の方法論とはマニュアル、フォーマットであり、それが確定した時点でその芸術作品はもはや二番煎じになって→2024/12/15
Ex libris 毒餃子
10
読めば読むほど理解できない。妹に「とうとうおかしくなった」と言われるのはわかる。2023/09/16
sk
7
刺激的な創作論。芸術だけでなく、科学や社会運動までと射程が広い。2023/09/03