内容説明
政治に翻弄され、司法に突き放されてきた戦争の犠牲者たち。戦後補償の観点からは画期的な「シベリア特措法」だが、課題はまだまだ残されている。抑留者の子や孫の世代にまで残る悲しみを見つめながら、歴代の政治・行政・報道の姿勢を問い、課題解決の可能性を探る。
目次
第1章 「シベリア抑留」とはなにか
第2章 シベリア特措法六五年目の成立
第3章 特措法の課題
第4章 パンドラの箱
第5章 遺族たちのシベリア抑留
著者等紹介
栗原俊雄[クリハラトシオ]
1967年生まれ。東京都出身。89年早稲田大学教育学部中退、94年同大学政治経済学部政治学科卒、96年同大学大学院政治学研究科修士課程修了(日本政治史)。同年、毎日新聞入社。横浜支局などを経て現在、東京本社学芸部記者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星規夫
2
シベリア抑留被害者への補償がほんの一年前にようやく為されていたなんて、全く知らなかった。70年近く経った今でも、戦争は続いているということか。2011/11/08
星辺気楽
1
「自分から進んで」戦争をやった兵隊には恩給があり、まったくの被害者であった、空襲被害者には何の補償も与えられない国ってなんなんだでしょう。2016/12/14
てんきゅ
0
戦争なのだから、国民全員が我慢しろ。 という理屈。また相手がソ連だから、交渉も腰が抜けてるわなあ。2016/07/18
キンケード&グリーンウェル
0
最近、抑留経験者の高齢化が更に進んだと言う新聞記事を読んだため興味を持ちました。今から10年程度前まで本書のような政治のやりとりがあったことが驚きです。私の祖父はシベリア抑留を経験していますが、ほとんど教えてくれず21世紀に亡くなりました。私の世代でまた聞きですがもう少しだけでも次の世代に伝えられたらと思います。2025/03/20