出版社内容情報
南米大陸の南端パタゴニア――本書は1958年に日本・チリ合同探検隊の未踏査氷陸地帯探険と処女峰アレナーレスの登頂の記録.登山家,心理学者であった著者の眼は探検記の中に卓抜した人間ドラマを描き出した.
内容説明
南米大陸の南端パタゴニア―本書は一九五八年に日本・チリ合同探険隊の未踏査氷陸地帯探険と処女峰アレナーレスの登頂の記録。登山家、心理学者であった著者の眼は探検記の中に卓抜した人間ドラマを描き出した。一九六二年マルケサス群島ヒヴァオア島沖で消息を絶った著者の遺稿。
目次
1 未知を求めて遠く…
2 マジェランの通った道
3 パタゴニア探検隊の成立まで
4 チリへのはるかな旅
5 「北部氷陸地帯」の未登峰へ
6 大自然と人と馬と…
7 コロニア湖を渡って
8 原始林を流れる氷河
9 アレナーレス山の頂に立つ
10 最後の夜を草の香につつまれて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
329
高校生の時以来の再読。懐かしくもあり、またあの感動が蘇ってくる。本書は1958年に行われた日本・チリ合同のパタゴニア探査、およびアレナーレス山(3437m)の初登頂に成功した探検行である。著者の高木正孝は、初稿を岩波書店に預けたまま、マルケサス諸島で行方不明となった。したがって、事実上は彼の遺稿となってしまった。日本とチリの初めての合同隊でもあり、またほとんど未踏の地パタゴニア探検であったため、数々の苦労はあったと思われる。しかし、高木の文章はそうしたことよりも、全編が喜びに溢れて躍動している。それが⇒2022/09/03
シンドバッド
5
本書の図録だけでは不十分なところは、インターネットで関連図録を参考にして読み進んだ。それにしても、当時と現在とは正に隔世の感あり。また、温暖化への言及が本書内にもあるが、加速度的に進んでいる。2015/08/01
のりゆー
2
誰も読んでないが面白かった。1958年、日本・チリ合同探検隊が南米パタゴニアの処女峰アレナーレスに挑んだノンフィクション。国境・人種・文化をこえて山に挑む男の友情が熱い。ただ、作者がその後南大平洋の船上で謎の失踪を遂げていることが、最初から明らかにされているので、単なる冒険記にはない無常感がある。2012/07/14
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