出版社内容情報
クーデターから,ソ連邦崩壊へ至る世紀末の激動を人々はいかに生きているのか.ユーモアとコモンセンスを唯一の武器に,1人の主婦が特派員助手の資格をとって素人的な体当り取材で描いたロシア的な奇妙な日々の報告.
内容説明
ペレストロイカの下での物不足と混乱、不可解なクーデター、共産党解散、そして一気にソ連邦解体へ―。特派員助手の資格をとったモスクワ在住の主婦が、ユーモアとコモンセンスを武器に、体当り取材で描いた社会主義大国の終末を生きる人々の意見と奇妙な日常のレポート。1989年6月~92年1月を収録。
目次
1 終末の断面(ミスコンに燃える女たち;右翼団体パーミャチ;ヴィーカ、アメリカへ行く;弥次喜多マーケット経済;ソ連式結婚狂詩曲;世紀末ソ連の黒魔術師;奇怪な食料蒸発;東西の狭間ロシア;TBS飛行士の宇宙旅行;グラスノスチの英雄の変貌;日常生活はまるでSF感覚;バーブシュカたち;不気味な大佐アルクスニス;ロシア大統領エリツィン誕生;蜃気楼の軍民転換計画)
2 熱い三日間
3 8月革命以後(党員たちのその後;心の病をどうするか)
感想・レビュー
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ヴェネツィア
342
1989年5月から1991年の2月まで書き綴られた「モスクワ通信」。著者の松浦信子氏はフジテレビのモスクワ支局長として赴任する夫に同行し、この貴重な機会にモスクワに滞在していた。ジャーナリストとしては旧ソ連の歴史的転換点に立ち会える絶好の機会であり、まさに垂涎モノであった。原稿は「朝日ジャーナル」や「世界週報」に掲載されたが、全くフリーの立場から書かれており、現場に居たことだけではなく、その立ち位置からも貴重である。篇中で最も精彩を放つのは'92年の8月の「熱い3日間」だろう。この時、旧ソ連は⇒ 2021/12/16
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