出版社内容情報
20世紀黎明のロシアを爆弾を抱えて彷徨するテロリストたち――エスエル戦闘団のテロ指揮の苛酷な日々にサヴィンコフがロープシンの筆名で発表したこの小説は社会主義の現在をも逆照射する.訳者による長編評論併載.
内容説明
20世紀黎明のロシアを爆弾を抱えて彷徨するテロリストたちの張りつめた心情と愛と孤独―。社会革命党(エス・エル)戦闘団のテロ指揮の苛烈な日々に、サヴィンコフがロープシンの筆名で発表した世紀末的雰囲気の漂うこの詩的小説は、社会主義の現在をも逆照射する。訳者による長編評論「サヴィンコフ=ロープシン論」併載。
目次
蒼ざめた馬
サヴィンコフ=ロープシン論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
loanmeadime
19
学生運動が盛んだったころ広く読まれた本だそうです。ロシア革命当時、委員会からの要請でテロを実行するグループの話がリーダーのジョージの日記の形で語られます。本名サヴィンコフの名で作家が指導的に関わった血なまぐさいテロの話題が中心なのに、どこか、恋愛小説のような雰囲気が漂うのは、小説が死を凝視するストイックな視線で溢れ出るのを抑制しようとした繊細なみずみずしい情感が滲み出たのか、と思います。それは、ワーニャとジョージの議論に見られる人間性に基づく悩みがもたらすものでしょう。2023/09/30
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ロープシンを読まずして愛を語る勿れ……2023/03/30