出版社内容情報
君の死んだ日,ぼくは警察によばれた.ただひとりの目撃者として――あれは事故だったのか,自殺だったのか.君は鋭く大人社会の嘘を見ぬき,苦しんでいた.君はなぜ死んだのか,ぼくは知りたい.
内容説明
君の死んだ日、ぼくは警察によばれた、ただ一人の目撃者として。あれは事故だったのか、それとも自殺か。みなぼくに問いただそうとした。だけど本当のことは、わからない。ぼくは、君の死の真の意味をさぐろうと思う。中学生以上。
著者等紹介
コルシュノウ,イリーナ[コルシュノウ,イリーナ][Korschunow,Irina]
1925年、シュテンダール生まれ。現在はミュンヘン郊外に住み、児童書を書くかたわら、新聞、ラジオ、テレビの仕事でも活躍。1958年の第1作以来、数多い作品のほとんどが幼児から低学年向きのものであったが、1978年に書かれた『だれが君を殺したのか』以来、高学年向きの作品に力をそそいでいる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
9
クリストフは確かにかなり変わっていて、クラスメイトからも教師からも嫌われていたが、それならクリストフは被害者かというと、それもまたちょっと違う気がする。諦めたり妥協したりすることは、大人だけがしているわけじゃない。子どもだって、生きていくために諦めもするし妥協もする。クリストフには、それができなかったというだけで、それが「良し」でも「悪い」でもないんだと思う。2015/05/17
オトトイ
4
クリストフはなぜ死んだのか。彼の友人であるマルティンの回想で、出会ってから亡くなるまでの彼の様子が語られる。思春期のひとことで済ませるにはあまりにも切ない。親を含め彼を理解しようとしない大人たちがあまりにも多い。考えさせられる作品だった。2014/11/25
conpeito*
3
10代特有の鬱屈した世界を思い出すことができて、読書っていいなぁと思えた本だった。若い時に出会っていたらどうだっただろう。自分自身変わっていないように思えても、やっぱり変わってしまっているのだと気づかされる。現在というのは現在しかない。2016/07/10
くま
3
クリストフを殺したのは世間である事は間違いないけど、世間が悪いという事でもない。諦めたり妥協したり受け入れたりすることが大人になるっていうことで、ただそういうことができるのが良いと悪いとかいうものでもない。この本は、思春期っていうとにかく大変な時期を上手く描いてるなと思った。2011/12/20
エビアン子
2
10代後半特有の悩み多き時期を乗り越えられなかった男の子と、その友達の話。大人が読めば、そんなことよりも仕事だったり親の老後だったり、政治や経済だったりと、大変なことは今後たくさんあるんだよ、って言ってあげたくなるけれど、あの年頃は仕方がない。学校の先生が嫌いだったり、ピアノをもっと弾きたかったり、毎日そんな感じ。彼は誰にも心を開かなかった。逃げてばっかり。きっと今死ななくても、老後を向かえる前に同じ結末になっていたと思う。孤独は人を殺すね。2020/01/02
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