出版社内容情報
文学観,子ども観から創作の背景まで,カニグズバーグの魅力あふれる1冊.1960年代から90年代にかけての講演録10本を収録.アメリカ児童文学の変遷が浮き彫りにされる.【解説 清水真砂子】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
3
カニグズバーグ氏は『チビクロさんぼ』が、ある理由から図書館からなくなる事について「私は言葉をこわいとは思いません。こわいのは言葉を抑圧することです。」ロシア語通訳の米原万里氏が『不実な美女か貞淑な醜女か』で、 「かたわ」「身体障害者」「身体の不自由な方」と適切な表現が変わってゆく 過程について「言葉を消しても、その言葉によって表現された概念を禁ずることは不可能。蔑視はそのまま言い換えられた言葉に継承される。」 言葉を使う最前線にいる二人が、奇しくも鳴らした同じ警鐘は、まっすぐ私達につきつけられている。2005/05/02
ロピケ
3
「〝わが家″に帰る」の章を読みながら何度となく、「心の友よ!」と思うことあって、結局購入。それに「桃と宇宙の間で」の章が秀逸。「桃」が何を指しているのかいまいち分からなかったけれど、「思い切って宇宙を騒がせてみようか?」という、T・S・エリオットの詩のフレーズにどきっとさせられた。そこから「宇宙を騒がせた」人達へと話の持って行き方がうまい。2012/01/27
道錬
2
文字に対する真摯な態度とユーモアのセンスがにじみ出ている講演集だった。2019/01/15
4
1
作品と講演では大分印象が変わりますね。 結構実名を出してて大丈夫かなって思いました。2016/06/30
art_mr
1
再読。作家がどうしてそれを書いたのかは後付けだったり無理だったりする、という解釈が新鮮だった。だからこの本全体を通して、作品については殆ど触れられていないんだなと思った。2015/06/06