出版社内容情報
「時間」の真の意味を問う,ドイツの作家ミヒャエル・エンデ(1929-95)の人気ファンタジー『モモ』.しゃれた造本で,やや大人向きの美しいスペシャル・エディションをお届けします.
内容説明
時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語。
著者等紹介
エンデ,ミヒャエル[エンデ,ミヒャエル][Ende,Michael]
1929‐95。南ドイツのガルミッシュに生まれる。演劇活動のかたわら、戯曲・詩・評論などを手がける。1960年に出版した『ジム・ボタンの機関車大旅行』でドイツ児童図書賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
141
エンデのこの本を最初に読んだときには、本当に忙しくて時間が足りないと思っていた時なので心にしみこみました。その後も何度は読みましたがいつも新しい発見や印象があります。子供用ということですが、いつも忙しさに追いかけられている企業人にとって少しは今までを見つめなおす気が起きるのではないかと思います。しがらみが少なくなったいま読み直してみると読む楽しみが今までとは異なる気がしました。2023/01/01
夜長月🌙
85
プレゼントしていただいた本。昔はこの本の良さがわからず挫折したのですが、今になって読んでみると実に奥深い物語です。ファンタジックにして哲学的。豊かな人生を生きるとはどういうことでしょう。時間を節約するということは実は粗末な生き方をすることです。ゆっくりと時間をかけて深く関わることで見えてくるものがあります。2018/05/18
寂しがり屋の狼さん
74
『はてしない物語』の著者ミヒャエル・エンデの作品。仲良くさせてもらっている読友さんに勧められた1冊(◕ᴗ◕✿)半世紀も前に描かれた児童文学ですが現代に生きる大人こそ読むべき作品だと思います。物語の前半部分、なぜ小さな女の子が街の人達にとって、なくてはならない存在になったのか…静かに人の話を聴き相手に気づきを与える、カウセリングで言われる【傾聴】が自然とできるモモはすごい。2025/01/14
ひめありす@灯れ松明の火
73
多分幼い頃の友達の家にあった、そして今はもうなくなってしまった本。以前『森の図書室』に行った時に皆の一冊を飾る一角があって、その中で一番冊数が多かったのが、この『モモ』でした。だからずっと気になっていて読んだけれど。大人になって読むこの本はただ怖かったです。奪われていたのか、奪ったのか。初めから望めなかったのか。亀の『カシオペイア』が可愛い。もうなくんってしまったかもしれない星の光が、今の私達にはちゃんと届いていて、それが何某かの指標になっているってすごいと思いました。過去、現在、未来。ずっと光っている。2016/10/16
やっぱり本が一番良い寺
71
私がこのレビューを書いている2020年8月現在、NHKのEテレ『100分de名著』が取り上げているのが、この『モモ』である。私は朗読を担当したのん(能年玲奈)のファンである。彼女の朗読が素敵で、ついつい原作を読んでしまった。元来ファンタジーやSF、奇譚が苦手な私だが、のん贔屓が高じて読んでしまった。メルカリを見ると、本書の岩波少年文庫版が飛ぶように売れている。テレビの力はまだまだ凄い。私もテレビに踊らされた一人だが、結果、読んで良かった。面白い。登場人物たちが魅力的である。名作には可愛い人間が出てくる。2020/08/06