出版社内容情報
転校したてで友だちのいないルースは,迷いねこにカモフラージュと名づけ,かわいがります.そのねこがきっかけになってルースは不思議な老婦人や農場の少年と知りあい,じょじょに心を開いていきます.
内容説明
迷い猫がきっかけになり、ルースは不思議な老婦人や農場の少年と知り合い…。この交流を通して、両親の別居、転校などで不安をかかえるルースは徐々に心をひらいていく。小学上級以上。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
96
なんといっても版画家である著者の挿絵(版画)が素晴らしいです。特に猫の版画はずっと眺めていたいほどです。主人公は思春期の女の子。両親の不和のために、母親と引っ越してきます。母親の機嫌に振り回されています。そんな彼女の友達になったのは、猫のカモフラージュ。揺れ動く思春期の心の支えとなっていくカモフラージュ。読んでいて、私もカモフラージュのことが愛おしくなっていきます。そして、少女は人生を歩んでいくための、少し広い視野と心を得てゆきます。自分の少女時代を少し苦い気持ちとともに振り返らせてくれました。2020/04/14
paf ❤︎
31
筆者自らの版画表紙挿絵が良い。別居によるママの不機嫌や気まぐれに翻弄されるルース。よくある思春期少女のひとりごと物語かと思いきや! 思わぬ良書に会えて感激。自分を包む環境や大人の心の動きを、12歳なりの目で冷静に見つめて折り合いをつけていく様子が細やか。我が少女時代のあれこれを思い出して切なくなる。マイケルとミス・バーナビーがいてくれてよかった。特にミス・バーナビーがルースにかける言葉は、本人も気づかぬうちに彼女を助けてくれる。カモフラージュの性質や仕種が、甘すぎないのも良い。ぶちさん、良い本ありがと!2020/05/22
たまきら
27
私が生まれる前に書かれたとは思えないぐらい、今と同じような問題を抱えている女の子が主人公です。彼女の目に映る猫、そして猫を通じて触れる大人たちの世界…。わけもわからず懸命に生きていた幼少時代ーそんな思い出がある人には共感できる一冊だと思います。2020/10/21
さゆ
8
私には、ドストライクの本。この本、もっともっと多くの人に読んでもらいたいなー。音楽好き、ねこ好きな方も、ぜひぜひどうぞ。2011/09/29
ろばこ
5
版画の猫がかわいい。イギリスで1970年代に出版された本。内気な主人公が引っ越し先で猫に出会い、新しい友人、猫の飼い主ミス・バーナビーなどと心を通わせていく。終わり良ければすべて良し。ミス・バーナビーがとてもすてき。2015/01/17