出版社内容情報
ワレサ率いる連帯運動が弾圧され,戒厳令下におかれたポーランド.激動する社会で将来への希望を見失いかけた若者たち.15歳のクレスカとボーイフレンドをとりまくさまざまな人間模様を描く話題作.
内容説明
ワレサ率いる連帯運動が弾圧され、戒厳令下におかれたポーランド。激動する社会で将来への希望を見失うまいとする若者たち。15歳のクレスカとそのボーイフレンドをとりまくさまざまな人間模様。ポーランドの話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
9
登場人物、誰もが主人公のようで、だれの生きかたも印象的。苦しみの中でつながり合い、苦い日々のなかで恋をし、貧しさのなかで分かち合う豊かさなどが残る。子鬼のようなゲニョルカの弾むような登場はとても魅力的で、でも、一番気になった。「ハリネズミちゃん」・・・なんだか、ありがとうと言いたくなる。2010/11/20
椿子
6
うーん、面白かった!ポーランドの厳しい時代の中、生きている人々を描いている小説ということで、児童小説だけど大人でも楽しめる本だと思う。主人公(?)クレスカの恋路や色々な家庭でお昼ご飯を食べる小さな女の子など、登場人物も魅力的。お昼ごはんシーンがたくさんあるので、ポーランドの食事がたくさん出てくるのも魅力的。続編もあるみたいなので読みたい。2012/08/11
BATTARIA
4
検閲を通って世に出た小説を読んでみたくなり、アマゾンでも品切れだったけど、どうにか購入。見ず知らずのガキンチョが「お昼を食べにきた」と押しかける不条理で始まり、いろんな人物のもつれた相関が同時進行し、最後にひとつの物語として収まるのがお見事。舞台がワルシャワでもグダニスクでもなく、ポズナニなのがまたいい。それにしても、よくこれが検閲を通ったもんだが、ドン底でも希望を捨てないのが、いかにもポーランドなのかもね。「でもそれはわたしの問題です」「苦しまなければ何も見えてこない」しみるなあ。2021/10/31
るりこ
4
『ナタリヤといらいら男』以来、十数年ぶりに読んだムシェロヴィチの作品、良かった。最初は話の流れがいまいち掴めなかったが、読み進むにつれそれぞれの登場人物にすっと感情移入。あぁ、そういえばムシェロヴィチってこんな感じの作風だったかなぁ、と思い出す。起こった事のほどんどは解決してはいないと思うけれど、希望は持てる。2012/10/07
こもも
4
本を閉じた瞬間、ボレイコ夫人の小さく力強い、温かい、荒れた手が、優しく包み込んでくれたような、そんな気がした。辛く厳しい灰色の時代にあっても、人は、こんなにも輝いていられるのだということに安心する。勇気をもらった気がする。レルイカがかっこいい!2011/02/22
-
- 和書
- 日本企業は老いたのか