出版社内容情報
バーニーはごくふつうの8歳の少年.ところが大叔父の死んだ日,幽霊のような男の子の姿に遭遇し,奇妙なしゃがれ声で語りかけられる.それ以来,一家はしだいにパニック状態に追いこまれてゆく――日ごとに近づく足音の正体は? 身も凍る超自然現象,謎解きのサスペンス,家族のドラマが織りなす物語.カーネギー賞受賞作.
内容説明
バーニーはごくふつうの少年。ところが大叔父の死んだ日から、幽霊のような男の子を見たり、奇妙な声を聞いたりするようになる。日ごとに近づく足音の正体とは?パニックに追いこまれていくバーニー一家をミステリータッチで描く。中学以上。
著者等紹介
マーヒー,マーガレット[マーヒー,マーガレット][Mahy,Margaret]
1936‐2012。ニュージーランドの作家。図書館司書として働きながら子どもの本を書きはじめ、1980年、44歳のとき、クライストチャーチの図書館を辞め、執筆活動に専念するようになる。『足音がやってくる』『めざめれば魔女』でイギリスのカーネギー賞を2度受賞。2006年には、国際アンデルセン賞作家賞が贈られた
青木由紀子[アオキユキコ]
1954年東京生まれ。東京大学大学院比較文学比較文化博士課程修了。山形大学助教授を経て、和洋女子大学教授。児童文学、ファンタジーの翻訳・研究に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
93
大叔父さんが死んだ日から、幽霊に悩まされるようになったバーニー少年。幽霊はなぜバーニーを狙うのか。やがて明らかになる、亡くなった母方一族の意外な真実。徐々に近づいて来る足音や怪奇現象が怖いけれど、ホラー作品ではない。自分に備わった才能とどう向き合っていくか。その才能を伸ばすのも歪めるのも家族。ニュージーランドの作家なので、英国ファンタジーとはひと味違う明るさを感じる。2015/11/02
Gotoran
51
河合隼雄著『ファンタジーを読む』からの派生本、第6弾。バーナビー大叔父の死後幽霊や足音がやってきたり不思議な怪奇現象に遭うようになった少年バーニー。継母のクレア、小説家志望の姉トロイとタビサ、父のジョンのバーニー一家は、怪奇現象でパニック状態に追い込まれていく・・そんな中、バーニーを取巻く家族、冷静に見守る長姉トロイ、出しゃばりの次姉タビサ、愛情に溢れた継母クレア、それを思い遣るバーニーの内面心理の浮揚が伝わってくる。恐怖を感じつつも家族の絆の温もりを感じさせてくれた。2019/11/20
混沌工房
13
ごく普通の少年バーニー。名前をもらった大叔父バーナビーの訃報をきっかけに、不思議な体験をするようになる。継母のクレアは優しいが、父親は頼りなく、次姉タビサはうざいし、長姉トロイは…なんだかつかみどころがない。曾祖母は毒親ぽいし。魔法使いの家系、という業にとらわれつつ、なんだかんだで温かい家族の絆~で結ばれて、ほっこり。寡黙で不気味に思えたトロイ、最後は可愛く思えた。2024/03/27
spica015
10
大叔父の死後、幽霊を見たり近づく足音が聴こえるようになった少年バーニー。ファンタジー/ホラーテイストで物語は進んでいくが、実は家族の繋がりを主眼にしており、恐怖を感じながらも最後は心が暖かくなる、そんな素敵な物語だった。冷静に見守る長姉トロイ、何かと口を挟んでくる次姉タビサなど家族たちがさらに話を盛り上げるが、やっぱり継母クレアが素晴らしい。バーニーへの愛情たっぷりで、それゆえにクレアを心配させたくないバーニーの心の揺らぎは見所。足音がやってくる様子や自分の中に幽霊が入ってくる様子など、恐怖の描写も秀逸。2018/05/25
ねこ
8
魔法使いの物語は数々あれど、こういう切り口は初めて。家族の物語。2020/01/19