出版社内容情報
緊張感あふれる表題作のダール「南から来た男」をはじめ,ポー,ウェルズ,ブラッドベリら11人の名手による,英米ホラーの傑作を選りすぐったアンソロジー第2弾.魔法の瓶に翻弄される男を描くスティーヴンソン「小瓶の悪魔」,ぶきみな味わいのデ・ラ・メア「不思議な話」など,新訳10編と訳者による翻案1編を収録.
内容説明
好評ホラー短編集第二弾。緊迫感あふれるロアルド・ダールの表題作をはじめ、スティーヴンソン、ウェルズ、ブラッドベリ、デ・ラ・メア、フォークナーらによる、英米ホラーの傑作11編を収録。訳者によるポーの翻案をふくむ、全編新訳。中学以上。
著者等紹介
金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954~。岡山市生まれ。法政大学社会学部教授。エスニック文学、マイノリティ文学、児童文学などを講じる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
163
本書は”ダール”の『南から来た男』や”デ・ラ・メア”の『不思議な話』を読まんがために手に取ったのだが、自分が期待していた以上の良い意味で予想を裏切ってくれた怪奇アンソロジーな作品ばかりで溢れかえている。ミステリーの始祖”エドガー・アラン・ポー”や短篇の王者”オー・ヘンリー”。SFの巨匠”H・G・ウェルズ””レイ・ブラッドベリ”、そして『宝島』『ジキル博士とハイド氏』の”ロバート・ルイス・スティーヴンソン”の作品まで掲載されている。ダールの作品も児童文学時とは違った味のする作品で、久々の当たりを引いた1冊。2017/07/14
mocha
101
ロアルド・ダールの表題作ドキドキしたー!途中で本を置いて心の準備をするのに2時間かかったのに、そんな結末!O・ヘンリー、デ・ラ・メア、ブラックウッド、フォークナー、ブラッドベリ、スティーヴンソン…いずれ劣らぬビッグネーム揃い。映像的なH・Gウェルズ『マジックショップ』エリザベス・ボウエン『悪魔の恋人』の緊迫感が良い。YA向きの読みやすい訳で、既読の作品もまた違った印象。すごく贅沢なアンソロジーだ。2018/08/13
藤月はな(灯れ松明の火)
57
ほとんどが既読。再読しても表題作はやっぱり、夫人の言葉と最後の一文が怖すぎます。「湖」の叙情に惚れ惚れし、「まぼろしの少年」は有り得たかもしれない現実が哀しくて胸に迫ります。「エミリーに薔薇を」は時代が変わっていたら違った可能性になっていたかもしれませんが最後はある意味、ハッピーエンドなのかしら?「隣の男の子」は中二病臭い男に嘲笑いつつも最後の少女たちのやり取りに秘かに喝采を挙げていました(黒笑)2013/05/26
たつや
50
ホラー短編集2冊目。このシリーズ良いですね。岩波少年文庫のジャンルの広さを見て感心する。編集者が優秀なんだと思う。ポーに、フォークナーにオーヘンリー、スティーヴンスン等、有名な作家の作品がホラーといえども、まとめて読めて贅沢です。2017/05/19
riviere(りびえーる)
41
短編集1よりこちら2の方がエッジが効いてて面白かった。ポー、ロアルド・ダール、フォークナー、ブラッドベリ、デ・ラ・メア、スティーブンソンなど錚々たる顔ぶれで、どの物語も楽しめた。表題作にはちょっとドキドキした。1800年代から1950年代までに書かれた物語を金原氏が若い人向けに翻訳しており、クラシックな雰囲気はそのままに、日本語は読みやすい。読み終わってから表紙絵を見てまた楽しめる。YA向け。第3集『最初の舞踏会』にも行く予定。 2020/08/13