出版社内容情報
戦時下、使用人ディックと再婚したクリスチナ。しかし、幸せなくらしは一転、亡夫の兄マークが屋敷にもどり、混乱をまきおこす。
内容説明
屋敷の主となったクリスチナは、使用人ディックと再婚した。戦時下の困難にもかかわらず、家庭も、農場も、すべてうまくいくかにみえた。しかし、瀕死の重傷を負ったマークが屋敷にもどり、感情のもつれが新生活をおびやかす。中学以上。
著者等紹介
ペイトン，Ｋ．Ｍ．［ペイトン，Ｋ．Ｍ．］［Ｐｅｙｔｏｎ，Ｋ．Ｍ．］
１９２９‐。イギリスのバーミンガム生まれ。美術学校に学び、美術教師の資格を取得。夫と合作で子ども向けの小説を書いていたが、１９６２年刊『難破船上の戦い』がカーネギー賞の候補作となり、本格的な作家としてみとめられる。１９６９年に『フランバーズ屋敷の人びと２ 雲のはて』でカーネギー賞を受賞、翌年、同シリーズでガーディアン賞を受賞。ヤングアダルト小説を多く手がける
掛川恭子［カケガワヤスコ］
１９３６年、東京生まれ。津田塾大学英文科卒業（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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Die-Go
30
図書館本。フランバーズ屋敷での愛憎はもつれにもつれる。クリスチナの想いは第三者から見ると「しっかりなさい」と諭したくなるようなものだが、これが物語を盛り上げるのだから致し方ない。次が最後の巻。どうなるのか。★★★★☆2022/09/05
北風
18
本当に、世の中正直者がばかをみるんだよねえ。自分を中心に世界が回っていると思っていない我が儘な人間が、一番得をするというのが世の中の仕組みってモノですよ。しかし、とりあえず、最後は収まって良かったかな。いや、まだまだわからないけれど。2017/12/06
LUNE MER
16
運命に翻弄されながらもようやく結ばれたお転婆気味の良家の娘と元使用人…という王道パターンでいったん幕を閉じてから、インターバルを置いて執筆された第４部。生まれた階層が人生を決める社会においてこの王道ハッピーエンドの先は実際どうなるのかを描いている本作。ここにきてヒロインに肩入れ出来なくなってきた。マークは相変わらず反吐が出るキャラで(つまりは作者のキャラ作りが巧いとも言える)、ディックの妻となりながらもマークに惹かれているクリスチナに全く共感出来ず、ディックの保守的な性格にも気分が萎える。2021/09/18
ヴェルナーの日記
13
本巻では、ヒエラルキー（階層性）社会の中において、主人公のクリスチナの葛藤と苦悩を中心に描かれている。クリスチナは、亡くなったウィルの影響で、当時（20世紀初頭）のイギリスの地方の中では、都会的で進歩性に富んだ感性と志向性をもっている。しかし、新たな夫となったデックは保守的であり、ウィルの兄マークも、同様な一面を持つ。この両者の軋轢（過去からの因縁）が、彼女を苦しめる。行き場のない苦悩は、人間に、ややもするととんでもない行動に駆り立てるが、これは次巻の楽しみといったところ。2014/02/22
topo
6
やっぱり風と共に去りぬだ… 元々複雑だった人間関係が更に複雑になりキャンディキャンディと風と共に去りぬの人物相関図を足して割ったらちょうど良さそう。でもその複雑さが面白さに拍車をかける。 クリスチナの波乱万丈の半生、面白かったです。 2019/07/13
