岩波少年文庫
ともしびをかかげて〈上〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784001145816
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8397

内容説明

衰退したローマ帝国は、450年にわたるブリテン島支配に終止符をうつ。地方軍団の指揮官アクイラは、悩んだ末に軍を脱走し、故郷のブリテン島にとどまることを決意したが…。意志を貫いて生きることの厳しさ、美しさを描く。中学生以上。

著者等紹介

サトクリフ,ローズマリ[サトクリフ,ローズマリ][Sutcliff,Rosemary]
1920‐92。イギリスの児童文学作家・小説家。2歳の時の病気がもとで歩行困難になり、のちに車いすでの生活を余儀なくされる。14歳で美術学校に入り細密画を学ぶが、1950年ごろから小説を発表する。ローマン・ブリテン三部作『第九軍団のワシ』『銀の枝』『ともしびをかかげて』(1959年カーネギー賞受賞)で、歴史小説家としての地位を確立した(のちに四作めとなる『辺境のオオカミ』を発表)

猪熊葉子[イノクマヨウコ]
児童文学者・翻訳家。聖心女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

258
およそ前作から200年後の物語。時代は5世紀頃で物語に登場するコンスタンティヌスは3世であり、前作のコンスタンティヌス2世とは直接的血縁関係はない。そしてヴォーティガン(ボーティガン)は、アーサー王伝説の登場人物の一人として取り上げられる。4世紀初頭にローマ軍がブリタンニアから引き揚げてしまった主な理由は、戦争による領土拡張主義の限界点に達してしまったことが一因として挙げられる。"すべて道はローマに通じる"との諺があるが、この頃の主要物資の運搬は海上だった。馬車や荷車では大量の物資を運搬できなかったのだ。2017/03/20

NAO

87
ついにブリテンからローマ軍が完全撤退する日、ブリテン生まれの百人隊長アクイラは、故郷に残る家族を思い、脱走兵となって家族に寄り添うことを選ぶ。ローマ人でもあり、ブリテン人でもある。そして、ローマ軍が撤退した後は、先住民族や海から侵入してくるサクソン民族に追われる立場でもある。激動の中で過酷を極めるアクイラの境遇、愛する妹も失った彼が今後どうやって生きがいを見つけていくのか。下巻へ。2019/03/20

たつや

52
予想以上の歴史小説です。児童書だと思って侮ってはいけない。ローマの支配が終わるブリテンに生まれ育ったアクイラは故郷とローマ軍に忠誠心を抱いていたが、一年ぶりに帰った故郷ブリテンに残り、軍を脱走する。家について考えるシーンが好きです。2017/03/06

neimu

39
悲劇の始まりなのか、この国の黎明を、希望を語るプロローグなのか。兄と妹の別れは物語の伏線として、後半に受け継がれていくのだが、歴史の中に埋没した個人の物語をかくも哀切を込めて綴ることの出来る細やかさ、歴史を躍動感を持って描き出す大胆さ、いつ読んでも感動させられる。2007/06/16

ゆうゆうpanda

28
上橋菜穂子氏のエッセイでお薦めだったので手に取った。ローマン・ブリテン四部作の中の1つ。ブリテン島を支配していたローマ軍が引き揚げた後の混乱を描く。ローマ軍に仕えるアクイラは自分の根がブリテン人であったと覚醒し、軍を脱走、ブリテンに留まる。そんな彼には壮絶な運命が待ち受けているのだった。本格的は感想は下巻を読んでから。上橋氏が解説を書いているそうなので楽しみ。オデッセイに影響されたサトクリフ、サトクリフに影響された上橋氏、そして上橋氏に影響されるであろう若い才能へ。冒険の物語が続いていくと想像できる幸せ。2015/07/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/536692
  • ご注意事項

最近チェックした商品