内容説明
古い領主館にひきとられた孤児の少女マリアは、館にまつわる伝説に興味をいだき、その謎を解こうと大はりきり…。活発で明るいマリアは、暗い館の生活を一変させ、周囲のおとなたちを事件にまきこみます。ロマンチックな物語。小学5・6年以上。
著者等紹介
グージ,エリザベス[グージ,エリザベス][Goudge,Elizabeth]
1900‐1984。イギリスの南西部サマセット州生まれ。父は神学校の副校長、母はフランス系の人だった。14歳になるまで学校へは行かず、家庭教師について勉強した。美術学校でデザインを学んだが、作家への道をめざし、『魔法の島』『霧のなかの塔』などの作品で認められる。『まぼろしの白馬』(1946)は、リアリズムとファンタジーの要素をあわせもった作品として成功し、カーネギー賞を受賞した
石井桃子[イシイモモコ]
1907年生まれ。日本女子大学卒業。編集者・作家・翻訳家として、また児童図書館活動の草分けとして、戦後の児童文学界をリードしてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
49
両親が亡くなり親族が住む田舎の村の領主館で暮らすことになったマリアが、村で起きている問題と向き合い、自分たち一族の謎を解こうと思案を巡らせる。マリアは、「謎を解く人」と村の人たちから期待されていたのだ。イギリス南部では、夕方に何頭もの白い馬が海を渡り沖へ帰っていく姿が見えるという伝説があり以前読んだ『海からきた白い馬』もそういった話だったが、めったに見られない白い海馬だからこそ見た人は幸福になるといい、その馬が現れたことが真実の証となったのだ。2025/07/08
たつや
48
宮崎駿さんの「本へのとびら」で、お薦めの一冊にあったので、安心して読みました。冒頭の馬車のシーンが私は好きです。何故か赤毛のアンを思い出す。物語は孤児のマリアが引き取られた先でその家にまつわる謎解きを始める、ちょっとミステリアスなお話でした。リアリズムとファンタジーの融合と評されている作品でもあるそうで、まさにそんな感じ、好きです。でも、ラストは思いっきりファンタジーです、良いラストでスカッと読み終えました。2017/03/30
シュシュ
27
訳は石井桃子さん。13才の少女マリアが村の平和のために勇敢に行動する。登場人物のキャラクターと舞台設定が豊かで面白かった。でも、それ以上に面白いのは、マリアが怖さを乗り越えて辛抱強く勇敢にふるまう場面だった。「雄々しき魂と清らかなる心をもてるもの、ほがらかなる精神とやさしき愛をもてるものとともにこの王国を継承すべし」ピンクのゼラニウムが小さなアクセントになっていて、私もゼラニウムを増やしたくなった。2018/10/13
シルク
23
うわぁ……(・´з`・) なんてロマンティックな、夢のように美しい物語。こどもの頃、美味し過ぎるご馳走、あるいは何色も色が揃った色鉛筆や絵の具のセットなんかを手に入れると、胸が鼓動を打ってズキズキ痛いくらいだった。美味し過ぎてどうしよう、綺麗過ぎてどうしよう……みたいな。嬉しくて嬉し過ぎて、その自分の現実を持て余すような感覚。それを思い出させる物語。こどもの時に読んでいたら、少女のわたくしは間違いなく、心臓を痛くしまくったことでしょう。美し過ぎる物語、どうしよう、好み過ぎる物語、どうしよう……ってな(笑)2018/02/08
北風
10
何も知らずに不思議なおとぎ話の世界に迷い込んだような少女の物語。正直、死後の世界なんじゃ無かろうかと疑いもしましたが、不可思議な個性の人々との出会い、様々な動物たちとの交流が優しい。しかし、そんな平和な村にも暗雲が。運命の少年との再会?と、運命に導かれて少女は先祖の呪いと因縁の敵に立ち向かうという、ほんとうにきらきらなドリーミング。犬?のロルフが挿絵だと小さいのが違和感。アスランみたいで、頼りになる。でも、本当はすっごくあぶらぎっていてべたべたらしいよ。2016/05/18
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