出版社内容情報
「なぞなぞの本」の中に入りこんでしまったぽっぺん先生.なぞなぞを解かなければ,先にもすすめなけりゃ外にも出られない.ところがそのなぞ解きときたら,トンチやヘリクツばかり.さて,どうなることやら.
内容説明
「なぞなぞの本」のなかに入りこんでしまったぽっぺん先生は、なぞを解かなければ外に出られない。ところが、そのなぞ解きときたら、トンチやヘリクツばかり。おまけに出会うのは奇想天外な動物だらけ。さて、どうなることやら。小学4・5年以上。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
50
ぽっぺん先生シリーズの第一作になるようですね。突然、読んでいたなぞなぞの本の中に入り込んでしまい、脱出劇になる。ぽっぺん先生の名前の由来もここでわかる。タイトルも純粋に「ぽっぺん先生となぞなぞの本」でも良かったのでは?と思ってしまった。単純ですが、面白く読めました。2017/02/07
とよぽん
47
小川洋子さんのラジオ番組で取り上げられた本。1973年に出たので、人間なら中年真っ盛りというところ。それにしても、舟崎克彦さんが繰り出す奇想天外の物語の面白いこと! こんなに上質でピュアなユーモアとペーソスあふれる舟崎作品を、今まで知らなかったことが悔しい! この作品を読んだことは、私にとって大事件と言うべき出会いになった。2020/08/20
あたびー
36
読んだのは文庫版。いつも履いているつっかけがポッペン(びいどろ)みたいな音を立てるのでぽっぺん先生というあだ名がついた。38歳独身、大学教授。依存する同居のお母さんを「ばあさん」と呼ぶ不届き者である。あるひ本の整理をしている時、子供の頃読んだ懐かしいなぞなぞの絵本をみつけ開いてみると、あれ不思議、その本の中に吸い込まれてしまった!1頁にひとつずつなぞなぞを解かないと次の頁に進めない。入れ代わり立ち代わり変な動物やら何やらが現れて訳の分からんことを言う様は「鏡の国のアリス」にさも似たり。服だけが暮らす国も!2024/06/03
へくとぱすかる
36
荒川放水路、新葛西橋、関東大震災、ロブロ・フォン・マタチッチ……が出てくる異世界ファンタジーというのも珍しいだろう。ぽっぺん先生は38歳なのだが、小学5年のときに学童疎開をしていたのだから、おそらく想定している時代は40年以上過去ということになるだろう。そう思って読み終わったら、ラストに1973年の刊行とあった。なぞなぞをテーマに、中年のおじさんを主人公にした、舟崎版「不思議の国のアリス」という感じ。異世界なのに、どこまでも現実世界とつながっているみたいなところが、親しみがもてて楽しかった。2015/01/31
ワッピー
35
読書会準備のために重読。これまで意識してこなかったものの、中年独身・母親と同居・水虫の既往歴あり・突っかけ常用の生物学助教授・ぽっぺん先生の造形に驚愕。ここまでサエない設定もそうはありません。しかし、想定外の事態にも自分の常識で立ち向かい、一蹴されても矯められない強さは際立っています。なぞなぞの絵本に入り込んで濃いキャラたちと渡り合い、美少年の助けを得て、ようよう帰還できました。今回気になったのは『ぬけがら町』の郊外の風景描写でしょうか。穏やかな麦畑にそよぐ風や香りの爽やかさに癒やされました。おススメ!2024/02/29
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- 和書
- 虚空を風が吹く 文春文庫