出版社内容情報
マレディの父は行方不明だ.生活の不安と部族の伝統を父から伝授されないあせりから,マレディは父をさがしにいく.激動の南アフリカで大人になってゆく少年の夢とあこがれを描く.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
50
原住民土地法が制定され移住させられ黒人の貧困が増していった南アフリカでは、第一次世界大戦直後鉱山で多くの労働力が必要とされ黒人の男たちが出稼ぎに出て、残された家族はさらに貧しくなった。14才のマレディの家庭も父親が鉱山に出稼ぎに行ったまま10年以上も音信がなく、マレディは父親に会いたいという思いと生活に対する不安から、父親を探す旅に出る。マレディは荒々しい少年だと何度も繰り返して書かれている。これは、それぐらい強い意志を持っていないとアフリカで自分らしく生きてはいけないということなのだろう。2025/06/12
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- 和書
- 現代と教育 〈61号〉