出版社内容情報
虹のたもとで見つけた金の鍵を持つ男の子が,妖精の国で出会った女の子と一緒に鍵穴を探す旅へ出る「金の鍵」.ほかに,人間と妖精がくりひろげる幻想的な物語「魔法の酒」「妖精の国」を収録.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫伊
10
不思議なお話の童話集という感じでした。個人的に妖精=善いものというイメージだったので、このお話に出てくる妖精界に人間を連込んだりする、人間にとって善いものではない妖精は、私にとってイメージを変えてくれるもので面白かったです。2014/07/16
北風
9
イギリスに根付いたフェアリーテイル。それが育まれていったのは、どれほどの妖精たちの存在があったのだろう。どれだけ多くの人々が語り継いだのだろう? 少年と少女が出会い、別の世界への扉が開かれる。少年の頃に読んでもわからず、惹かれていたことが、今ならばわかる。そして、忘れて思い出せない、失われてしまったこともある。おばあさまがいつまでも若々しいように、一番年老いているはずの火が幼かったように、幼い日の物語が心を若返らせてくれる。2016/03/01
timeturner
7
ジョージ・マクドナルドは絶対に妖精とつきあいがあったんだと思う。人間の頭でこれだけのことをひねりだすのは無理だもの。彼が描く川が実に魅力的で、いますぐイギリスの田舎に飛んでいきたくなる。2014/11/26
KiKi
5
しまったぁ!!! これは KiKi の一生の不覚・・・と言っても過言ではなかったかもしれません。 これこそもっと早くに読んでおくべき物語でした。 思いっきり KiKi 好みのお話ばかりじゃありませんか!! そして、この美しい文体!!! どの作品も妖精が登場する幻想的で神秘的ないかにも英国らしいファンタジー。 個人的には「金の鍵」が一番素敵だと感じました。 この物語に登場する「おばあさま」や女の子と金の鍵を持つ男の子の導き手となる「魚」、さらには「海の老人」「大地の老人」「火の老人」にどんな意2010/11/12
misui
3
ジョージ・マクドナルドがすごいのは読者に魔法の存在を確信させるところ。人間の論理ではかることのできない異界の論理が物語を支配していて、フェアリーテイルだと思って読み進めていくと、いつのまにか幻想の彼方に連れ去られたことに気付きます。この短編集の表題作「金の鍵」は特にそれが顕著で、文字を追いながらも「これは読んで大丈夫なのか?」と変に不安を感じるほど、ファンタジーを飛び越えて神話の域に達した物語に幻惑されました。童話全集に手を出そうかな。2010/04/04