感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みよちゃん
4
ハンガリーの民族がフン族と関係あると、作者の初めの言葉。挿絵も作者で、元は画家という。白いシカと赤いワシの、構図が物語の展開を暗示する。図書館の蔵書印や貸し出しカードの日付から見て、相当古くからあったのに、瀬田さんの訳というイベントに出会って読むという、出逢いがあったこそ、読めたのだと、嬉しくなった。2016/08/30
dumpty
4
フン=マジャール族の古い伝説の物語。物語に負けない力強い絵が印象に残る。瀬田さんの訳も負けず劣らず、力強くて気持ちがいい。2010/12/21
さといも
1
ゲルマンの民族大移動のきっかけとなったフン族の伝説をもとにした物語。フン族がアジアの山奥から約束の地・ハンガリーに辿り着くまでを描く。骨太で力強い語り口。自分たちの部族が暮らしていけるような豊かな土地を目指して旅立ったはずなのに、次第に殺戮が目的になっていく、その変容に人間の恐ろしさを感じたり、残虐な族長に初めて守るべき家族ができた時、殺戮を繰り返してきた自分の生き方に迷う姿に胸が熱くなったり。目で読んでも面白いが、声に出して耳から聞きながら読むとイメージが立ち上がって来て更によかった。2018/09/02