出版社内容情報
中国最古の詩歌集「詩経」と,唐を中心としたすぐれた詩人11人を選び収める.詳細な語釈と,現代的感覚による流暢明快な通釈を付して,中国古典詩の世界を現代の読者に紹介する.* 〈1990年9月/新装版発売〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しずかな午後
6
寒山・拾得として知られる唐代の伝説的詩人・寒山。実在の人物ではなく、無名の隠者達の詩に「寒山」という名を与えて纏めたのではないか、とする入谷氏の推測は当たっていそうだ。その詩には寒山という地がひとつの理想郷として登場する。人跡は絶え、夏でも冬のように寒く、白雲に包まれた山奥。その地で、ぼろ布に身を包み、わずかな野菜を食べ、古詩を読み、酒を飲む。隠者としての一つの理想的な姿がそこにある。ただし、その詩には意味が不明瞭な箇所が多いし、いずれの詩にも題が無くて、かなり独特だった。2023/01/22
零水亭
3
唐詩ではありますが、どちらかと言うと、禅書ですね。禅は唐、宋にピークを迎えますが、寒山はどうやら仏教に帰依した隠者のようで、特に禅に関心が強かったようです(龐居士みたいな人だったのでしょうか?)。但し、禅語録によくみられる偈頌(七言の四句詩なので「七言絶句」かと思いきや、日本の禅僧のそれは平仄にこだわり少なく、純粋な絶句でないのが多いです)と異なり、五言古詩がメインです。五言律詩もありそうです、時間ある時に漢和辞典で平仄をチェックしてみます。哲学的な詩が主体ですが、自然を美しく歌った詩もあります。
ぎんしょう
2
若干古かったのは私の責任。語注が豊富で、少しうるさいが初学者にはありがたい。選択もなんとなく抑えられていたような。とりあえず触れたい人には入手もしやすく安価なのでおすすめ。2011/08/19
雪野きずな
1
図書館で借りて読んだ。中国詩人選集を全て読みたい。2015/04/04