目次
幸福
性格に関わる徳と行為および感情の中間性
行為の責任とその要件、そして徳の各論
性格に関わるさまざまな徳
正義について
思考に関わるさまざまな徳
抑制と無抑制、快楽について
友愛について
友愛と正義
快楽と活動・幸福再考
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
34
21
なんと常識的な哲学者。なんと独創的な哲学者。われわれはある意味では、アリストテレスを理解するために彼を読むというより、彼の依拠しているギリシア人の共通感覚を理解するためにこそアリストテレスを読む。そこがすべての源泉だったし、そこからすべては逸れていった。最初の屈折のひとつ。哲学の原初の現場。アリストテレスにあってプラトンにない(というか他のだれにもない)のは、独特の体系的感覚で、この感覚は、ギリシアの政治的世界と人間の生に対する信頼によって支えられていた。この感覚は人類のために二度は出現しなかった。2019/06/18
てれまこし
10
政治学は知恵(ソフィア)とは区別される思慮(フロネシス)に属する。思慮は理性のうち「意見(ドクサ)」に関わる部分、つまり必然でも偶然でもないもの、他のあり方でもありうることに関わる。知恵は神的なもの、普遍的なものに関わるが、思慮は個別的なものから成り立つ人間的な世界のもの。そうしたものに関わる活動として制作と行為があって、技術が前者、思慮が後者と結びつく。個別的なものと関わるといっても、それらをバラバラにしておかない。知恵と同様、個別を綜合する力が含意されてる。だから綜合の場としての政治と親和性がある。2021/08/13
オカピ
1
図書館/NHK100分で名著に取り上げられていたので読んでみた。難解な哲学書よか読めたけど、やはり当時のギリシャの状況とか知らないとちゃんと読めないかんじ。まぁ2000年以上前の意見に一般人が共感できてしまうのが凄いというか、人間って変わってないんだなぁと2023/11/09